差出人: Masayuki Nakamura
送信日時: 2019年4月7日日曜日 19:33
宛先: 銭湯ML (sento-freak@freeml.com)
件名: 健康ランド末広湯(豊島区千早町)

ナカムラです。今日(3/23)は、「健康ランド末広湯(豊島区千早町)」に行ってきました。
要町駅(東京メトロ有楽町線)から、0.7キロ、8分くらいです。
池袋駅からも1.7キロくらい。

豊島区、北区、文京区界隈を複雑に蛇行して流れていた谷端川(別名:千川、小石川)沿いに位置する銭湯が多い。同湯もそんな銭湯の1つ。

同湯は、辺り一面が田畑だった昭和5年に開業している。800メートル程南、西武新宿線椎名町駅(大正13年開業)の電車を眺めることが出来た。

航空写真によれば、元々は2段型天井の伝統的木造銭湯だった。しかし、脱衣所が陸屋根だったように見える。ちょっと変わった建物だったのかも知れない。

バブル期に現在の建物に改築されたようだ。現在では大きなマンション銭湯。さらに“末広”を冠した幾つかの賃貸物件を従えている。

1階にはコインランドリーと24時間営業のコインシャワー。2階にはプラス400円で利用できるサウナ客専用スペースと威風堂々。自動ドアを入れば、Sakura-G錠プラ板鍵の下足箱がL字型に置かれている。

狭い靴脱ぎ場を過ぎれば、大きな水槽、畳1畳ほどの液晶テレビ、ソファが置かれた絨毯敷きのロビースペース。そこを抜けると親爺が鎮座するカウンター。痩せて華奢ながら、銭湯の親爺らしい風貌と風格を感じる。

脱衣所は、幅4間、奥行3間ほど。天井は2間強と、そこそこ高い。サウナ客専用の2階への階段がある。上がらなかったけど、明かりが見えたので、現役のようだ。床は籐敷き。照明が4割くらいしか点いていない。

ロッカーは男女境側と入口方にSakura-3錠のもの。自販機やTANITAのデジタル体重計など。外壁側は閉鎖されたガラス戸になっていて、以前は脱衣所や、2階の休憩室からも露天風呂にアクセスし易かったようだ。

浴室は、幅4間、奥行3間強と横長。天井高は2間強でフラット。埋め込み型の照明。奥壁が全面ガラス窓で、その外側に、距離を置かずモザイクタイル絵が広がっている。天井に8つある照明器が3つしか点いていない。奥壁のタイル絵を照らす灯りもあるのかな。どうなんだろうか。

島カランは2列で、カラン数はセンターから6・6・6・6・0・0。床のタイルはユリ模様の薄いベージュ色。

同湯が“7色の風呂”と標榜する浴槽群は多彩で特徴的。奥壁側には、水風呂(30ー32℃)、淡い実母散系の薬湯“延寿湯”、座ジェット×2、バイブラ。サウ室と専用の水風呂(20℃)、露天風呂への通路を挟み、外壁側に普通の銭湯であれば主浴槽と言っていい程の広さの白湯と寝湯×2。湯温は42℃弱のリラックスモード。更に屋外に本格的な岩風呂が脱衣所の傍らまで延びている。露天は40℃弱なのでじっくりと浸る必要がある。

冷たくない30ー32℃の水風呂が気になって足を運んだけど、露天を含めて比類ない温度バリュエーション。7色の風呂を巡っていたら、時を忘れ、相方と示し合わせた時間に遅れてしまった。

土地柄か、浴室に足を踏み入れた時、彫り物を背負った若者五人衆が島カランに1列になって背中をゴシゴシしていた。何とも楽しげでユーモラス。心を和ませてくれた。しばらくすると上がったのだろう。5人が居たスペースが、他の場所よりも整然として輝いていた。ちょっとだけ感動したほど。今はどうか知らないけど、親分がウチの若い衆をよろしくと、銭湯に挨拶に顔を出したりということがあった。彼らもライフラインから締め出されてはかなわないから行儀がいい。いい光景だった。

ビジュアルは繰り返しになるけど、奥壁のガラス窓の向こうにモザイクタイル絵。青と白の海?、イルカ?、窓ガラスの曇りと暗さで良く分からなかった。

上がりは、瓶入りのブルガリアヨーグルトを飲みながら、深々ソファでフィギュアスケート世界選手権の男子フリー、宇野昌磨の演技を観戦。畳1畳ほどの大きさのテレビは見応え十分の別世界。

土曜日の19:35から20:55に滞在。バブル期に改築された、当時としては最新鋭の設備がそれなりに時を経ている感じ。しかし、上がって上機嫌になれる、いい銭湯だった。

上がりの一杯は池袋のもつ焼き『ふじ屋』。何を頼んでも、まあまあ美味しい。『吉田屋』、『ダルマ酒場』などをも展開する会社のようだ。

*************************************************
ナカムラ (Masayuki Nakamura)
URL: http://furoyanoentotsu.com(風呂屋の煙突)
*************************************************

目次へ