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大井町・大盛湯
 2015.10.17.





水道橋のうつわ屋「千鳥」の折居ゆか展に行く。千鳥は、日本橋川畔に建つ古いビルの3階で、大袈裟に言えば美術館のようなアンティークな趣きの中に器が並んでいる。昨日は上野雄次氏の活け花が飾られ、シックな花と装飾や並べられた器の調和も見事だった。そして、何より古窓から見下ろす日本橋川の風景が、何処か外国の風景のようで気に入っている。

何処かの商店街を歩き、その後に銭湯に入ろうということになり、旗の台・荏原町に向かった。

商店街散策の後、下神明駅から大盛湯へ。下神明駅の傍らに「古戸越橋」という旧品川用水(暗渠)に架かる小さな橋が残っている。玉川上水の分流として、江戸時代の半ばから明治時代の後半まで武蔵野市、世田谷区(用水に沿って多くの銭湯がある)、大田区、品川区の農業用水を供給した水路。その後は、工業用水、消防用水、最後は排水路として使われた。昭和23年に品川用水普通水利組合が、当時の三鷹町に水利権を譲渡して、品川区はその役割を終えている。以前、通って気になっていたけど、最近の暗渠ブーム。昭和20年代と早い時期に暗渠化された品川用水の貴重な遺構として気になっていた。

2008年以来の大盛湯は相変わらず。フロントに変ったけど、典型的な大型銭湯としての威容を誇っている。薪で井戸水を沸かした柔らかいお湯と広く贅沢な空間。奥壁は”庭池(下部は水槽になっていて、水中を泳ぐ魚を鑑賞することができた)”、モール硝子の窓、3センチ角の白タイルが貼られた床。女湯には大勢の赤ちゃんに対応出来る長い台(ベビーベッド)に繋がる出入口が浴室側面に今も残っているらしい。また、池は埋められてしまったものの脱衣所側の前栽にも石で組まれ多築山や大きな滝の跡が残っている。

《前回訪問:2008.7.24.》








「古戸越橋」。旧品川用水の貴重な遺構。




後方の明かりは下神明駅の高架ホーム。









下神明駅脇の「中華大連」いつも気になる。しかし、19:00閉店らしく今日も断念。









大衆酒場「大山酒場」。閉店して数年経つけど、看板を含めそのまま残っている。




ゼームス坂上の平和小路。平和じゃなかったからこの名前が付いたと穿った見方をしている。




平和小路




上がりの一杯は「ひなの家」。沼津の魚、静岡のおでんと酒。富士宮の焼きそばなんかを頂いた。




大井町駅(東急)。初めて乗ったけど、りんかい線(埼京線直通)で新宿まで12分ほどで行くことが出来る。