差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2010年10月13日水曜日 22:38
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: 宝湯(京都市伏見区深草大亀谷西久宝寺町)

ナカムラです。

今日(9/19)は、「宝湯(京都市伏見区深草大亀谷西久宝寺町)」に行ってきました。 藤森駅(京阪電鉄・京阪本線)から、0.9キロ、10分くらいです。

連泊した京都三条のホテルを出て、木屋町・フランソア喫茶室(昭和9年創業)でレトロ喫茶探 訪部の活動。。。東山のレトロ食堂「力餅」で昼飯を食べ、祇園を冷やかし、閉校して京都アー ティストの拠点となっている旧明倫小学校の前田珈琲で休憩し、伏見区藤森の宝湯に向かった。

駅を降りると、すぐ前には琵琶湖疎水の流れがあって、橋が掛かっている。そんな川のある風 景が良かった。藤森の師団通りと呼ばれる商店街もそこそこの賑わいがあって、その中の「軍 人湯」の佇まいも趣深い。伏見は、師団が置かれた旧軍の街。そのため軍人湯という珍しい屋 号の銭湯が残っている。

目指す「宝湯」は、奈良線の高架の傍らの袋小路的な場所にある。後方には油井型の煙突が黒 煙をなびかせ、さらにその後ろには小川が流れる。

洋風のファッサードの銭湯としては、同じ伏見の中書島に「新地湯」という銭湯があるけど、 こちらの方が繊細な意匠かな。よく見ると建物は左右対称ではない。女湯側の正面にアーチ型 の窓がひとつ多い。

建物の前は、路地の奥ながら数台分の駐車場があって、銭湯の全景を見渡すことができる。単 なる看板建築ではなく、脱衣所の左右も様式が整っている。

暖簾が下がる直方体のエントランス部分は、後からの増築だろう。左右のアーチ型の窓と呼応 するエントランスの元々のデザインとはどういうものだったのだろうか気になった。

脱衣所に進めば、クロス張りながら大型の番台がある。脱衣所の広さも幅3間半、奥行4間ほ どと大型だ。そして男女境には、イオニア式か一定の様式を備えた列柱が、2本だけだけど、 白亜の天井を支えている。

脱衣所中央には天井扇が回っている。その基部には、洋館にある華麗なシーリングメダリオン がある。大袈裟にいえば、古い小さな銀行建築の営業室という趣だ。

籐式の床には基本的に何も置かれていない。広々とした空間。ロッカーは外壁側のみで、中に 柳行李を納め、扉の一部にガラスが使われている典型的な京都様式のもの。

入口方の壁には新旧のマッサージ機。小石タイルで奥行が一間はある緩衝エリアの手前に Yamatoのアナログ体重計がある。

浴室も幅3間半、奥行5間と大型。天井は山形で中央部に四角の湯気抜きがある。

浴槽は脱衣所に食い込む感じで男女境側に水風呂。男女境途中から奥壁全体に、深槽、浅槽、 人間洗濯機(ひとり用のタイル張りのジヤグジー)、電気、酵素風呂という、華麗なラインナッ プ。何れも「伏見の名水」が沸かされている。

かの「人間洗濯機」は東京などにある円形ジャグジーと違って、内側に段もない一人用の小さ なものだった。

無料の乾式サウナは外壁の外側に増設されている。3人ほどが入れる小さなもの。しばし、伏 見の名水の水風呂との間を往復して、誉れ高き水の素晴らしさを堪能する。

上がりは牛乳を頂いて、京阪・藤森駅よりも近いJR奈良線の藤森駅への登り坂を急いだ。

富山県の大門赤湯鉱泉をスタートにした8泊9日の銭湯ツアー夏の陣も同湯が最後。入った10 箇所の銭湯はそれぞれに趣深かった。。。

19:00の新幹線でのぞみの人となる。

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
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四条・フランソア喫茶室


藤森・軍人湯