差出人: Masayuki Nakamura
送信日時: 2016年12月19日月曜日 21:19
宛先: 銭湯ML (sento-freak@freeml.com)
件名: たから湯(中野区若宮)

ナカムラです。

今日(2/12)は、「たから湯(中野区若宮)」に行ってきました。野方駅(西武新宿線)から、0.5キロ、5分くらいです。

辺りは全くの住宅地で飲食店などはない。しかし、同湯の周りには古い歯科医院の建物やクリーニング店、理髪店などがある。

浴場主体のビル1階に銭湯が入り、2階にはご老人向けの施設だろうか、鷺宮いこいの家が入っている。

同湯は戦前派の古豪銭湯で、昭和3年-11年の地図に既に煙突の記号を見ることが出来る。周辺は戦災非焼失エリアで、昭和22年の航空写真に2段型の伝統的木造銭湯が写っている。

木造の時代にも1回くらいは改築が有ったかも知れない。航空写真を年代を追って見て行くと、今の鉄筋コンクリートの建物は、昭和62年からから平成2年の間に建てられていることが分かる。当初からガス焚きだったのだろうか大きな煙突は無い。後方に回ると、ステンレスの小さな煙突が有った。

建物の上には冠のような、四方から眺められる看板が載っている。しかし、ライトアップがないので夜は看板の効果を発揮していない。少し奥まった入口周りの電気は敢えて消しているようだ。一見客を拒むわけではないんだろうけど、夕方から夜にかけての商売の割には電気を節約し過ぎて暗い。

手動のガラス扉を開けると2階への階段がある、この建物のエントランスホールがあり、その奥に同湯の入口扉がある。なんか、公共建築に併設された図書館に入る趣がある。

扉を入ると小さな簀の子をL字型に敷いた靴脱ぎがあっておしどり錠の下足箱。扉が青・白・赤のトリコロールになっている。

ロの字型のカウンターには若くどっしりとした方が詰めている。明るく元気な声が掛かる。やっとほっとする。

サウナ併設だけど今日はパス。相方が2人分の風呂銭を払い、小生はスタンプ帳を差し出す。新規銭湯の探訪は1カ月振りくらい。そして、中野区銭湯の最終。最近は遠くの銭湯に行く回数がだいぶ少なくなった。おそらく全軒回った区は、去年の杉並区に次いで中野区が2番目かな。

脱衣所に進むと3間半四方の広い空間。天井はさほど高くない。第一印象は暗いなぁというもの。蛍光灯12本のうち4本しか点いていない。蛍光灯の間引き方もちょっとバランスを欠いている。震災から5年。関東で電力が足りないという話は聞かない。1日の終わりに寛ぐ場所をもっと明るくしてほしい。

ロッカーはSakura2錠の島ロッカーが縦置きに2つ。プラスチック製ながらロッカーの内部に四角い脱衣籠があるのは関東では極めて珍しい。過去、関東でこの方式の銭湯に出会ったか思い出せないくらいだ。傍らに籐編みの丸籠も幾つか積まれている。

その他、Tanakaのアナログ体重計、飲料の自販機、2台の洗濯機が並ぶ。

浴室の広さは3間半四方。天井高は脱衣所と同様で1間と1/3程度でプラ板張り。奧壁の向こうにサウナ室が稼働しているものの暗く中の様子は窺い知れない。

壁や天井は簡素な長方形の白タイル。目地から黒い染みが垂れた跡がそこここに。老朽化が進んでいる上、メンテナンスもあまり良くないようだ。

島カランは2列で、カラン数はセンターから8・6・6・3・0。井戸水の析出物なのか、カランというカランは白くなっている。床のタイルはベージュ色で、滑り止めの突起で正方形が描かれたもの。

浴槽は、外壁側から奧壁に沿ってL字型に並ぶ。7点座ジェット×2、バイブラ、電気、水風呂が連なる。お湯は42度くらい。多少白濁が目立たないでもないけど、柔らかく浴感は悪くない。

ビジュアルはない。浴槽に接する外壁が開放的な大きな硝子窓になっていて昼間はかなり明るいはずだ。夜とは印象が違うのかも知れない。

上がりは脱衣所の自販機で久し振りにオロナミンCを頂く。

金曜日の20:35から21:15に滞在。戦前派の古豪銭湯だったけど、古くて、暗くて、ちょっと行き届いていないシャビー系。洗面台の上の蛍光灯を点けようとスイッチの紐を引いたけど点かなかった。相客は7、8人ほど。シャビーな人が多くほのかに薫る人もいた。

上がりの一杯は飲み屋が立ち並ぶ飲み屋小路の韓国料理主体の居酒屋。鏡月のロックでキムチやチヂミなどを頂いた。

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
URL: http://furoyanoentotsu.com(風呂屋の煙突)
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                  野方文化マーケット

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