差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2006年1月8日日曜日 5:35
宛先: 銭湯ML
件名: 鷹取温泉(横須賀市鷹取)

ナカムラです。

今日(1/7)は、「鷹取温泉(横須賀市鷹取)」に行ってきました。
追浜駅(京浜急行)から、0.5キロ、5分くらいです。

鷹取には、住宅地の近くに昔の石切り場跡で、鷹取山というロッククライミングゲレンデがある。高校生の時、テントを張って、焼肉やって、散々騒いだことがある。そうしたら、すぐ下の住宅地から「暴走族が騒いでいる」と通報されたらしく、パトカーに続いて、消防車まで登場(焼肉の煙しか出してないのに・・・)。でも、何故か、警官には叱られず、パトカーと消防車は引き上げて行った。関係は不明だけど、その直後から数年間、このゲレンデは閉鎖された。そんな、苦い思い出がある。

さて、鷹取温泉。築35年の古いマンション銭湯。古いビル銭にしては、浴場部分が2階にあるのは珍しい。表通り側1階部分は、飲み屋が入居。奥は、浴場設備とコインランドリーになっている。ビル側面に暖簾があって、2階への階段がある。

階段を上がると、短い廊下があって、「『温泉』は屋号で、お湯は温泉ではありません」という趣旨の貼り紙がある。「温泉」を名乗りながら温泉ではない銭湯はいくつもあるけど、こんな告知は初めてかな。

短い廊下には、女湯と男湯のアルミサッシのドアがある。手前が男湯。ドアを開けると、いきなり3間四方の脱衣所。コンクリのタタキがあって、新建材ながら番台が立っている。松竹錠の下足箱も、脱衣所内の入口方の壁側にある。まさに、典型的な「地方銭湯」の造り。

番台の女将に400円を渡す。天井高は、ビル銭湯につき1間と1/3くらい。照明器など、全体的に昭和中期的な雰囲気が濃厚。悪くない。ロッカーは、男女境下と外壁側に大き目のロッカーが、浴室側には小さめのものがある。錠は筆記体で「Oshidori」との刻印があるブロック状のもの。アルミの小さな板鍵をロータリー式としているもの。

その他、TANAKAのアナログ体重計や、さほど古くない電話ボックス式のサウナがある。電話ボックス式のサウナが現役なのを初めて見た。あるいは、今まで見てきたものも、古いながら現役だったのか・・・。メーカーを見ると「FUJIIRYOKI(潟tジ医療器)」。あの旧式マッサージ器の会社だ。使う場合は、予熱が必要らしく、風呂に浸かる前に申し出る必要があるようだ。初めて体験しようと思ったけど、叶わなかった・・・。

さて浴室。浴室も広さは3間四方。天井は最高部でも1間と1/3で高くはない。しかし、入った瞬間に、いい雰囲気を持った浴室だと感じる。

島カランは1列で、カラン数はセンターから、4・5・4・4+立ちシャワー2。カランは日の丸扇の刻印がある取っ手が茶色のもの。全てにシャワーが付いている。桶は色に赤いラインで底に温泉マークのかなり使い込まれたもの。

浴槽は2槽。男女境脱衣所方に1.5m四方の副浴槽。関西風で1段踏み込み階段がある。緑色の薬湯でバイブラバスになっている。温度は42度くらい。浴槽の縁に上がると確実に女湯が覗けてしまうため、男女境の上に目隠しが補強されていた。だが、昇ったら見えてしまうだろう・・・。

奥壁側に瓢箪型の主浴槽。構造が変っている。温泉と違って、銭湯の浴槽は掘り込まれたものは少ないけど、同湯の主浴槽は浴槽の縁が低く、内側が2段に掘り込まれている。1槽だけど、深浅2槽の機能ということだろう。内側はブルー系統の小石タイルで、1穴ジェットが4機、赤外線ランプは点灯していなかった。

炊出し口は、コーナーに背丈よりも高く岩が組まれていて、紅葉の造花で飾られている。そこから瀧のように湯が注がれている。ピンク色の蛍光管で照らされて、浴室全体のアクセントとなっている。それに、浴槽の中に構造上、1センチ角のタイルが張られた丸柱が立っているけど、これが浴室全体にレトロな雰囲気を与えている。

ビジュアルは、男女境と奥壁にモザイクタイル絵。絵柄は、男女境が女性の裸婦像。5人の女性が異なったポーズをとっている。奥壁が絶壁に立つ燈台、海、小島、カモメというもの。浴槽のお湯の高さから天井までの堂々としたもの。取り上げている題材は一般的なものだけど、類型化されていない迫力のあるもの。なかなかいい。

70歳は超えている主人によれば、神奈川県で2番目(に早い?)らしい。

上がりはアサヒの赤ラベル180円。番台のビル銭だった「池上温泉(横須賀市池上)」が廃業してしまったので、同湯も早く行っておこうというだけで、あまり期待していなかった。しかし、なかなか特徴がある趣きある銭湯だった。同湯は16:00から22:00までと営業時間も短い。

帰りは、駅とは反対側になるけど、横浜一の風格がある建物の「みなと湯」をチェックして駅へ戻る。それにしても、今年の冬は寒い。ウールのコートにマフラー、帽子に手袋・・・。それでもだんだんと凍えてくる。

横須賀市の銭湯も、もう残り、1つ(松の湯/県立大学)になった。



湘南病院の門柱。
湘南病院は昭和21年の設立だけど、設備は旧海軍病院を引き継いだもの。
この門柱はいでたちからして、海軍病院時代からのものだと思われる。




みなと湯(横浜市金沢区六浦町)