玉の湯（大田区羽田）

差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2007年4月14日土曜日 8:36
宛先: 銭湯ＭＬ (sento-freak@kt.rim.or.jp)
件名: 玉の湯（大田区羽田）

ナカムラです。

今日（4/13）は、「玉の湯（大田区羽田）」に行ってきました。
穴守稲荷駅(京急空港線)から、０．４キロ、４分くらいです。

穴守稲荷駅は、駅前に鳥居が立つ変わった駅だ。そして、駅前に、「スナック駅前」、｢麻雀駅前｣、｢季節料理駅前｣、｢居酒屋駅前｣がある。｢駅前｣グループなんてあったかぁ･･･。それぞれに流行っているようなので文句を言う筋合はないけど、安易なネーミングで笑ってしまう。

穴守稲荷駅前は、ささやかな商店街になっていて、このあたりに多いつぼ八創業者が手がける居酒屋｢ひもの屋｣なんかもある。

ある店から、シャッターを開けて、桶を抱えた親父が出てきた。駅近くの｢栄湯｣に向かっている。
羽田は空港のイメージしか浮かばないけど、漁師町だった歴史が影響しているのか、ボロアパートが残っている土地柄なのか、今でも６軒の銭湯が残っている。｢羽田｣の町名の数と同じで、往時の姿が維持されている感じがある。親父が向かった、駅に近い栄湯は、黒瓦の伝統的銭湯だ。他にも黒瓦の古い銭湯が残っている。最近は｢空港線強化月間｣（？）なので、これらの銭湯にも、近いうちにお邪魔することになるだろう。

さて、｢玉の湯｣。エントランス部分の屋根は、懸魚もある見事な唐破風。しかも緋色に塗られている。その奥の脱衣所棟も千鳥破風に黒瓦。風格のある銭湯だ。

暖簾を潜ると、下足スペースも広々としている。ただ、改装されているので、レトロな感じはあまり残っていない。松竹錠の下足箱｢２３｣番に靴を入れ、アルミサッシの扉を開けると、番台を低くして、後方へ窪ませたような、コックピット型のフロントになっている。敢えて視界を遮っている、そのフロントに座る女将に４３０円を払う。同湯にはスチームサウナがあるけど、無料のようだ。

脱衣所は、３間四方。ただ、男女境側には、外壁がタイル張りのサウナ室が食い込んでいる。昭和の終わりごろに大改装をしたのだろう。天井、壁にはクロスが張られ、それが煤けて、ひび割れたりしている。天井からは照明器が下がっているけど、点いていない。それ故、少しうらぶれた感じがある。

フロアの真ん中に、ブロック状のシリンダ錠が付いた島ロッカーが１つ。さらに外壁側にロッカーが並んでいる。脱衣籠も、いくつか、ロッカーの上に置かれている。同湯は「不定休」だけど、貼り紙によれば、今月は｢9日(月)｣と｢23日(月)｣というように、隔週月曜日が休みのようだ。

その他、旧型のマッサージ機、ISHIDAのアナログ体重計なんかがある。

サウナ室の上には２５インチのテレビが載せられていて、映画監督タケシの特集をしている番組が映っている。北野監督の映画は、日本の侘び･寂びを外国人に最もよく伝えているとのフランス人のコメントがあった。確かに、現代映画なのに、日本人の雰囲気というか日本人の心象風景を良く表現していると思う。

浴室は、幅３間、奥行４間半。天井はウィング幅１間の２段型。高天井が広い。白とブルーのペンキで塗られているけど、それなりに煤けたり、剥がれたりして、やや荒んだ感じがする。椅子や桶が乱雑に放置されていて余計にそんな風に感じてしまう。

墓石型の島カランが１列で、カラン数は、センターから６･６･６･７。カランはＷａｇｕｒｉの取っ手が青･赤の五角形のもの。

カラン台が臙脂色のタイルだったり、床のタイルなんかは、鶴見の銭湯で良く見るベージュ色の昭和終期頃のタイプだ。
昭和の終わり頃はバブルの時期。同じ頃に銭湯の改装も多かったようだけど、バブルと銭湯になんか繋がりがあったのか。。。

奥壁は、「第二天狗湯」と同様の、茶色で円形などの模様が入ったテラコッタが張られている。かつては、ペンキ絵があったんだろうけど、その手のビジュアルは無くなっている。

浴槽は、八角系の渦巻き風呂と、バイブラとジェット付きの浅槽の２つ。３点ジェットの向かいに、足裏を刺激する２点ジェットが付いている。これは、初めての遭遇かも知れない。湯温度はいずれも４２．５度といったところ。２槽とも｢アロエ｣という薬湯になっている。銭湯にもよるけど、青い薬湯は、トイレの｢ブルーレット｣のお湯に入っている感じで、いまいちかな。

２１：３０から２２：３０に滞在して、相客は５人ほど。そして、誰もスリームサウナを使う者は無かった。スチームサウナは、スチームサウナ独特のサウナ臭があるもの。温度は５０度強。なんか、これに入るのは久々のような気がする。京浜地区の銭湯でしか、あまり遭遇しないものになっているのかも知れない。水のシャワーを浴びたりして、３往復する。

上がりは、ポッカの缶コヒー１００円。
かつての漁師町の銭湯は、全体的にあまり元気がなかったかな。
風が強い夜。何もない銭湯の割りには、思いのほか長湯になった。

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ナカムラ　（Masayuki Nakamura）
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穴守稲荷駅
穴守稲荷駅前。｢駅前｣チェーンが。。。

栄湯	栄湯