田中湯（墨田区墨田）

差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2010年10月25日月曜日 23:28
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: 田中湯（墨田区墨田）

ナカムラです。

今日（10/24）は、「田中湯（墨田区墨田）」に行ってきました。鐘ヶ淵駅（東武伊勢崎線）から、0.3キロ、3分くらいです。

上野駅から合羽橋道具街などを散歩した後、浅草から東武伊勢崎線を北上する。墨田区の北の外れ、駅を降りると古い酒店が立ち飲み客を受け入れていたり、板張りの内装が木造校舎のような理髪店があったりと、十条、赤羽界隈と比べてもかなりディープな町が広がっている。

その鐘ヶ淵駅前商店街の、店々が疎らになったあたりで、銭湯特有のカルキの匂いがしてきた。

後方にコンクリの煙突が、雨降りの夕暮れの空に浮かんでいる。日入りの時刻は16:55。既に 15分が経過している。雨降りで少し暗い日、夕景の撮影には少し遅過ぎた。

経営を引き継いでから三代目。現在の建物は昭和27年築。鐘ヶ淵は旧カネボウ（鐘ヶ淵紡績）創業の由緒ある地域。この墨田4丁目は戦火から逃れている。玉の井の女給も通った戦前からの銭湯だ。

脱衣所の建物は簡素な黒瓦の建物に、同様の屋根のエントランスがある。そして、基部に石材を積んだ板塀が見事だ。質素な感じながら、かなり手が込んだもので、裏（庭）側は何と檜皮が張られていた。

のれんを潜れば小さな靴脱ぎスペースがあって、左右に松竹アルミ板鍵の下足箱が置かれている。下足の上が庭側からの明かりを取り込むために木桟に模様ガラスが使われている。見た感じ質実剛健の建物だけど、細部に細かな造り込みがある。

番台への扉をあければ、左右の視界を極端に遮った、フラットな番台スペース。気さくで明るい女将さんにスタンプを頂いた。そんなこともないんだろうけど、随分と銭湯巡りの人が多いそうで、それをねぎらう言葉が続く。

脱衣所の広さは3間四方。天井はアミダ籤のような格子があって、天板は木目プリントの新建材に置き替わっている。壁も同様の材料が張られている。

ロッカーは外壁側に松竹アルミ板鍵のもの。中央には籐敷きの幅広いベンチ。その他、首長の Keihokuのアナログ体重計、旧型マッサージ機、折りたたみ式の卓球台などがある。塀は凄いけど、庭には篠竹が生えているだけだった。

浴室は、幅3間、奥行は4間ほど。天井はウィング幅1間半の2段型。天井高さは4間以上はあるだろうか高い感じがする。浴槽脇の壁はウィングの袂まで硝子ブロックが積まれている。

島カランは、1列でカラン数はセンターから5・5・5・6。カラン周りは茶系統の御影石を模したタイル。床のタイルも昭和末期に中普請したような一時代前のパール色の滑り止めを施したものだ。

浴槽は奥壁に接して深浅2槽。浅浴槽は円弧の背もたれが付いたジェットが2機。深槽はバイブラになっている。湯温はどちらも42度くらい。

同湯では毎日違った薬湯を供している。今日は、井戸水を薪で沸かしたお湯に、匂い立つ生薬のハーブの香り。この安息はかなり好きなものだ。

上がりは牛乳が無かったのでパス。連れはバヤリースのピーチを飲んでいたけど、なかないけるらしい。

日曜日の雨降り。17:15から18:00に滞在。相客は7､8人くらいだった。

上がりの一杯は、鐘ヶ淵駅から玉ノ井の赤線に向かうために、ひょう客がそぞろ歩いた細い通り（西町買い物通り商店街）を抜けて、隅田湯の隣の「十一屋」へ。

カウンターで鱈腹食べて飲んで一人3000はいかない。いい店だと思うが、相方の表情にあまり感激はない。。。いい店だと思うんだけどなぁ・・・。

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ナカムラ　（Masayuki Nakamura）
メイン:masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp　　
URL: http://www7a.biglobe.ne.jp/~masayuki/ （風呂屋の煙突）
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戦前の建物と思われる古い理髪店田中湯を含め隅田4丁目は辛くも戦火から逃れている。他に焼け残った銭湯は、金春湯、美人湯、別府温泉（旧玉ノ井湯）、タヌキ湯、大江戸湯、長生湯。	隅田湯カフェー街の北に隣接している。カフェー街の中央にあった別府温泉は風呂銭が少し高かったため、女給の多くは同湯を利用したらしい。
鐘ヶ淵駅前の踏切。右斜めに入っ行く通りが玉の井へ通じる通り。