富来浴場（荒川区西日暮里）

差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2009年5月24日日曜日 10:44
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件名: 富来浴場（荒川区西日暮里）

ナカムラです。

今日（5/22）は、「富来浴場（荒川区西日暮里）」に行ってきました。西日暮里駅（山手線）から、0.2キロ、2分くらいです。

道灌山のふもとにある昭和３２年築創業の西日暮里駅至近の銭湯。もっとも、千代田線の接続駅として旧国鉄の西日暮里駅が開設されたのは昭和４６年なので同湯の方がずっと古い。

道灌山通りに入る幅3間ほどの通りに面して、同湯脱衣所の千鳥破風が大きく映える。後方には薄っすらとコンクリ煙突の輪郭。そうとは思っていなかった、伝統的木造銭湯だ。しかし、本来のエントランス部分は取り払われていて、１階が箱型フロント部分になった２階建て建物に置き換わっている。

女湯の前にはコインランドリー。腕に見事な入れ墨がある若い女性が洗濯している。建物中央に狭いエントランススペースがあって、強風に暖簾が舞う。傍らには「富来浴場」とよく見るかたちの屋号を示す看板がある。「富来」とは、浴場経営者を多く輩出する石川県能登半島の西側の地名で”とぎ”と読む。人口9000余人の小さな町だ。

下足箱の錠はＳａｋｕｒａG錠にプラ札。自動ドアを通ると幅１間弱のフロントスペース。結構、しっかりとお化粧したご年輩の女将に４５０円を払い、８０番目のスタンプをもらう。今日は８０番目の人が多いと言う。１日に何人くらいスタンプをもらう人がいるか聞くと、１人か２人くらいとのこと。多いか少ないか・・・。東京の銭湯は９００軒強。僅少ではあるけど、多少の需要喚起になっているのかも知れない。

脱衣所は、幅３間、奥行２間半ほど。かつては高い天井だったんだろうけど、２階が載せられてからは普通の高さの天井になっている。中央に籐敷の万能台。外壁側と入口方のにＳａｋｕｒａⅢ錠のロッカー。その他、アナログ体重計などがある。コンパクトな脱衣所だけど居心地がいい。爺さんが幼い兄弟にパジャマを着せてくつろいでいる風景がある。

庭を潰し、前面の建物が増築されていると想像していたけど、男湯には前面の端から外壁にかけて、Ｌ字型に曲がる小さな庭がある。立派な庭木が立ち、池が残されている。しかし、池を埋め戻す工事途上だった。維持費と手間が掛かるからか。これが有るのと無いのでは、寛ぎに大きな違いがあるのだけど、最近、水は張られていなかった。

浴室は、幅３間、奥行４間。天井高は優に３間は超えるだろう高さがある。いい銭湯だ。。。

そんな広い空間に小判型のセンター浴槽。それを取り囲むように、男女境、奥壁、外壁と７・５・６機のカラン配置。さらに奥・外壁とのコーナーに備長炭湯の副浴槽がある。

奥壁には、早川師のペンキ絵「富士川（平成十七年十一月十二日）」が広がっている。床のタイルはパール色に輝くもので、清潔に清掃がなされている。

センター浴槽に浸かりながら奥壁のペンキ絵を眺める。このペンキ絵を眺めるには最高かつ贅沢な浴槽配置、絵の見え方も違う。早川画としてこのペンキ絵が描き替わることがないのが残念だ。この浴室の雰囲気も大きく変わることになると思う。

釜場への戸にはアーチ型に小タイルの縁取りがある。ペンキ絵が早川画であることや浴槽配置を含め、昭和初期の銭湯建築である三河島・雲翠泉と全く同じ内装と雰囲気の浴室だ。

金曜日の２１：００から２１：４５に滞在。すれ違いのパジャマ連を除けば相客は２人。風情ある優れた銭湯としては少しばかり寂しい感じだった。

上がりは、近くの中華屋へ。フカヒレあんかけ焼きそば、餃子、海老・ソラマメの青菜の炒め。そしてモルツ中瓶と紹興酒を１、２、３・・・。ちょっと食べ過ぎて、ちょっと飲み過ぎたかな。タフな一週間の終わり。まぁいいか・・・。

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