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目白台・豊川浴泉
 2018.01.06.







差出人: Masayuki Nakamura
送信日時: 2018年1月8日月曜日 9:35
宛先: 銭湯ML (sento-freak@freeml.com)
件名: 豊川浴泉(文京区目白台)

ナカムラです。 今日(1/6)は、「豊川浴泉(文京区目白台)」に行ってきました。
早稲田駅(都電荒川線)から、0.4キロ、5分くらいです。

目白台の傾斜地を小布施坂を神田川へ下った辺り。同湯の脇は、坂の上から神田川の先までが既に 更地になっている。以前来た時に比べ立ち退きが進んでいる。目白台の坂の上から同湯を掠め、西 早稲田方面に繋がる環状4号線の予定地になっている。

同湯は文京区と豊島区の境。かつて蛇行していた神田川の前の流れが新宿区との区境でもあり、付 近は3区が複雑に絡み合っている。同湯の前の緩やかに曲がる道の風情がいい。江戸時代の地図に は既に描かれている、古い道のようだ。

”目白御殿”と呼ばれた同湯の建物は昭和24年築の伝統的木造銭湯。能登出身の先代が下足番から はじめ、同湯を皮切りに何軒もの銭湯を経営した。株売買で財をなし今でも坂に名を残す小布施新 三郎〈初代・二代目〉が一帯の地主で、先代は同湯を建てる際に兜町の小布施商店まで権利証を受 取りに出かけて行ったという。

旧町名は高田豊川町。豊川稲荷から来ているのだろう。創業時より引き継がれている建物は、その ままで磨き込まれている。鶴の美しい鏝絵があしらわれたエントランスには立派な正月飾りととも に、紺地染め抜きのオリジナル暖簾が掛る。

脱衣所の折り上げ格天井は一見していい材料で造られていることがわかる。さらに、乳白色のガラ ス球の電笠を組み合わせた和風シャンデリアともいえる照明器が、古い三翼の天井扇や大黒柱のい こひ工務店寄贈の黒時計とともに何とも言えない雰囲気を出している。

中島さんの西伊豆のペンキ絵がある浴室。白色のユリ模様タイルに曇りがない。初めて経験する” ユッカ濁り湯”が42度で一番の高温槽。その他の浴槽は41度と温めの設定。既にコンクリ煙突は 無く、ステンレスの低い煙突に変っているのでガス焚きのようだ。

コインランドリーのテントには”パパママと大きなお風呂に入ろうよ 豊川浴泉”と大きく記され ている。既に夕飯時を大きく回っているので子供はいなかったけど、学生街ということもあって若 い客も多い。温めのお湯で思い思いに寛いでいる感じだった。

土曜日の19:25から20:35に滞在。相客は15人くらい。坂道が多い目白台の雰囲気のいい落ち着 いた銭湯だった。今はひっそりとしているものの環状4号線沿いの銭湯になる。土地の用途地域や 容積率が変って大型のマンションが林立するだろう。”いつでも継ぐよ”という後継者が居るので、 現役感が高い銭湯だけど、周辺環境は激変していくだろう。

《前回訪問:2010.10.17.》

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
URL: http://furoyanoentotsu.com(風呂屋の煙突)
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同湯すぐ右側は更地になっている。小布施坂上から環状4号線の予定地となっている。

















同湯斜向かいの永楽寿司。ショウィンドウの”砂利場”とは神田川岸のこの辺りの地名。


















都電荒川線の起点、早稲田駅。東京さくらトラムという呼称はなんとも。




都バスの早稲田営業所。バス停の”墓場”があった。