梅の湯（町田市森野）

差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2006年9月24日日曜日 8:07
宛先: 銭湯ＭＬ
件名: 梅の湯（町田市森野）

ナカムラです。

今日（9/23）は、「梅の湯（町田市森野）」に行ってきました。
町田駅（小田急線･ＪＲ横浜線）から、１．９キロ、２０分くらいです。

生田で墓参り。相模大野駅、湘南台駅経由で帰館する予定で、その途中の町田駅で降りる。
駅前を少し歩いただけだけど、大きな町だ。そして、今日は町田のお祭りのようだ。各町内で神輿をかつぐ声やお囃子の音が聞こえてくる。

梅の湯への途中で、「あたみ湯｣跡を通る。ロープが張られた長方形の更地には、雑草が目立っている。そこそこ広い土地だし駅からも近い。早晩、マンションにでもなるのだろう。

「龍の湯｣は、再訪しても、畑の傍らで森に佇む姿は異彩を放っていると感じる。外壁は、薄木を木の桟で止めた押し縁の壁。この前は気が付かなかったけど、なかなかに風情のある建物だ。煙突の形状もやや古めかしい。今日は祭り提灯を下げている。

梅の湯は、龍の湯の５００メートルほど先。都営森野アパートに囲まれるかたちで位置している。都営住宅はさほど古そうでもないので、近年建て返られたようだ。そして、この変化は都営住宅の風呂の機能を担ってきたんだろう、同湯の経営環境を大きく変えたはずだ。

同湯の入り口は、前の変形の三角の土地に住宅が建っており、道路に面していない。やや解りにくい場所にある。伝統銭湯ながら、寺社風の作りではなく、ファッサードは洋風とまではいかないまでもモルタルでの装飾壁がある。

暖簾を潜ると、奥行きはないものの、建物の幅ほどの下足スペースがある。天井は、平格天井で、番台裏、番台への戸など焦げ茶の渋いオリジナルの姿が残っている。｢男湯｣と書かれた表示も、見かけるのは稀な琺瑯看板だ。

番台への戸は、バネで復帰する観音開きの扉。昔、医院などで見かけたようなもので、銭湯では珍しい気がする。木組の番台は、装飾などはないけど、雲型の仕切りがあるレトロなタイプ。気風のいいチャキチャキ女将に４３０円を払う。

１５：２０。一番風呂の常連客の了解も取り付けた。女将にペンキ絵の撮影を願いでるとＯＫ。｢まだ、女湯は誰も居ないから、女湯から撮りなさいよ。｣とのテキパキしたお言葉。ペンキ絵は、町田は組合が依頼するらしく、同湯も丸山師のものだ。女湯は大沼公園。男湯は鞆の浦で、１６．９．１０の日付がある。

ペンキ絵で鞆の浦を見るのは初めて。そして、先週訪れた所。なんか因縁めいたものを感じないでもなく、少し胸がわくわくする。

脱衣所は３間四方。一部外壁側に、硝子戸に囲まれた張り出しがあって、テレビを置く休憩スペースになっている。大袈裟に言えば、旅館の離れのような雰囲気があって、なかなかいい。

龍の湯もそうだったけど、清潔さでスキがない。町田の銭湯は清潔なようだ。

天井は、折り上げ部分は白く塗り潰された折上げ風の格天井。採光窓などの建具も木製のオリジナルのもので維持されている。外から見ると、入り口の採光窓部分に、波板が打ち付けられていたので、窓が欠落した無残な姿と感じていたけど、風雨から守るためだったようだ。

ロッカーは、島ロッカーが１つと、入口方にある。錠は松竹の板鍵のもの。脱衣籠も１０個ほど積まれている。

その他、Keihoku　Hakariのアナログ体重計、身長計測器、ぶら下がり健康器、旧型マッサージ機。コイン式の洗濯機が２台ある。

浴室は、幅３間、奥行４間で天井は２段型。白に一部ブルーのペンキが塗られている。くすみはなく、清潔だ。床のタイルは３センチ角の白色のもの。壁も大きな白タイルが使われ、ここには、昭和３０年代の原風景がある。

島カランは１列で、カラン数は、センターから７･６･６･７。立ちシャワーなんかない。島カランも台面と脚部がモスグリーンというレトロなものだ。

浴槽は深浅２槽。浅槽は１穴ジェットが４機。深槽は、何の仕掛けもなく、奥壁の下に沈められている木製のスノコの形がよく見える。温度は４２度と４３度くらい。

ビジュアルは、ペンキ絵の他は、その下にモザイクタイル絵がある。町田では、背景広告社の浴場広告が健在だ。ファッションヘルスの「多摩クリスタル」の看板なんかもある。女湯には、当然だけど、多摩クリスタルは無かった。

上がりは、小岩井の蜜柑ジュース１２０円。庭に特段の造作はないけど、縁側が朱塗りの造りつけのベンチになっている。裸で座っていると、風が心地いい季節になったのを感じる。傍らに銀色の円筒形の吸殻入れがあったので、ここでなら喫煙は可能なようだ。

土曜日の一番風呂。１５：２０から１６：２５に滞在。相客は、一番風呂勢の４人だけだった。さがみ湯廃業で流れてきた客と、常連客ではなさそうな若者２人。清潔でいい銭湯だけど、客は少ない。

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ナカムラ　（Masayuki Nakamura）
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