差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2003年9月19日金曜日 0:16
宛先: 銭湯ML
件名: [sento-freak:04363] 雲翠泉(荒川区東日暮里)

ナカムラです。

今日(9/18)は、東日暮里の「雲翠泉」に行ってきました。

常磐線の三河島駅から3分くらい。銭湯マップより、実際は近い感じ。

細い路地は、昔、商店街だったのでしょう。
飛び飛びに店があるのと、昔店舗だったという住宅が混在しています。

雲翠泉の煙突は、「大塚 角海老宝石店」という、常磐線向けの赤いネオンが後ろにあるため、薄赤く妖艶に立っています。夜なのでよくは判らなかったのですが、外壁は不自然に?煤けている感じに見えました。

戦時中に墨で黒く塗った名残なのでしょうか・・・。昔はそんな建物が多く残っていた気がします。入口は、コンクリートの2段の階段を登ります。そのコンクリートが、かなり古い感じ。骨材に川の玉砂利が用いられている・・・。

下足箱は松竹錠。番台には、確かにこの業界としては若いお姉さまが座っていた。小生(中年)と同じくらいか。天井と窓、庭に通じる扉。うーん古色蒼然としている。雲水じゃないけど、まさに禅寺の趣。

脱衣所は長方形がほとんどと思い込んでたけど、先日行った「亀の湯(品川区中延)」と同じく、番台右奥が別室のように庭に張り出している。入口側の壁と張り出した別室に壁面ロッカー1つずつ。それと床に極めて小さい島ロッカーが1つ。あとは、脱衣カゴがいくつか。

天井からぶら下がっている扇風機を見るのが、本日の重要なミッションでしたが、想像していたものより、うーんと、レトロ。化石のような天井扇風機。

なんと、現役とのこと。クーラーを使っていない時に回すとのこと。掃除していないからホコリが飛ぶとのことで実演は見られなかった。かなりの騒音を発する模様。羽はおそらく木製。全体が緑青色になっている。昔、お姉さまの父君が毎年、塗り直していたと。現在はお年を召されたため、それはなし。

湯船はこれも珍しいセンターの小判型。水が勢いよく注がれていたので、気が抜けるほどぬるかった。ゆるやかなジェットはまさに禅?の趣。それに合わせたように、数人の客が居たけど、静寂。それに何やら、お香の香りまでする。(上がった後に判ったのですが、縁側に置かれた蚊遣りの香りでした・・・。にくい演出だ。)

開け放たれた窓の外に庭がある。(タキロンの板じゃないというところがいい。)

ペンキ絵は、平成14年10月の早川師の富士川。13.10.5.という日付が凸凹で読み取れる。1年に1度は書き換えているとのこと。20年ほど前は布の上に書いていたが、現在の板の上に描くようになってからは、絵の持ちが悪くなったとのこと。

タイル絵を見るのも今回の重要なミッション。4枚の「峯雲」銘・「大竹画工場作」の朱印がある風景画。先日、「斗の湯(横須賀市佐野1丁目)」で出会ったものは、かなり色が落ちていたけど、ここのはマズマズ。

ちなみに、ここでもらった「1010(63号)」のP35にある桃太郎のタイル絵はこちら雲翠泉の女湯のものとのこと。女湯サイドのタイル絵はすべで御伽噺とのこと。さらに、P35の縁側の猫も同湯のものとのこと。

マジョリカタイルというものを初めて見ました。凝ったものなのですね。

帰りにトイレを借りたのですが、ここで久々に、出っ張った金属の棒を押し上げると一定量の水が出る式の手洗い器に出会った。懐かしかった。

お姉さま一家が移って40年。建物の詳しいことは判らないとのことでしたが、かなりストイックな、禅の道に通じる?古色蒼然の銭湯でした。ウーン満足・・・。

長くなりました。

(注)写真はH17.2.11撮影。