差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2006年2月26日日曜日 21:16
宛先: 銭湯ML
件名: 山の湯(世田谷区北沢)

《H18.2.18撮影》

ナカムラです。

今日(2/25)は、「山の湯(世田谷区北沢)」に行ってきました。
東北沢駅(小田急線)から、0.4キロ、4分くらいです。

大正末か昭和初年に開業の古くからの銭湯。周りに何もなかったから「山の湯」という屋号になったのではないかという話しだった。
その後、同湯の回りが畑ばかりだった昭和19年に現在の経営者一族が経営を引き継いでいる。

入口は看板建築で、独特の形状をしている。浴室棟は押縁下目板張の古風なもので、戦前物件であることは間違いないようだ。開業当時からの建物なのだろうか。いずれにしても、かなり古い建物なのは間違いない。母屋と釜場の壁は、煉瓦が積まれている。

建物正面に、直方体の建物が増築され、入口部、フロント部とコインランドリー部になっている。
入口には、屋号を記した紺地のオリジナル暖簾。入ると松竹錠の下足入れがある。

自動ドアを通ると、小さなフロント部。ご主人に400円を払う。
床はビニールクロスで壁は合板の化粧板。町の医院の待合室という感じ。小さくてしゃがんで飲み物を取り出さなければならない、小さな冷蔵庫。フロントのどこからも見ることができない、フロントに座るご主人専用の14型テレビ、入浴道具販売のショー・ケースなどがある。

脱衣所の広さは、幅2間半、奥行2間ほどと小振りだ。天井は2間強と低くはないけど。正方形の普通の天板にクロスが張られ、一部剥がれてきている。壁は白い化粧板。古い建物だろうけど、内部に風情はない。

入口方と外壁側にロッカー。錠はブロック状のごつい錠がついている。メーカー名の刻印は見当らない。

その他、Hokutowのアナログ体重計、新型のマッサージ機があるくらい。簡素な脱衣所だ。しかし、浴室入口に敷いてある、麻の敷物の手入れが良く、好感が持てる。

浴室は、幅2間半、奥行4間。外観の古色蒼然さは、内部からは窺がわれない。ウィング1間半ほどの2段型の天井は、積年の塗り重ねで厚化粧にはなっているものの、丁寧に維持されている。
外壁が2段目の天井から30センチほど外にあって、細かく言えば、3段型のようになっているのが珍しい。

島カランは1列で、カラン数はセンターから5・5・5・6。センターのカランは全て立ちシャワー兼用で、ブースの中にある。カランはWagriの角型で取っ手はブルーのもの。桶は黄色の無地のもの。椅子は大振りの緑椅子と普及椅子。さらにいくつか木製の椅子も使われている。

浴槽は、奥壁側に深浅2槽。深槽は、2人だと狭いくらいの小さいもの。温度は42度半くらい。
浅槽は、7点座ジェット×2とバイブラ。座ジェットは寝湯との合いの子のようなもの。

ビジュアルは、コミカ風呂的な装飾タイルと6枚物のタイル絵(プリントのような絵柄)の上に、中島師の富士山のペンキ絵。多少のくすみと剥がれが出ている。その下には広告看板を入れるスペースがあるものの浴場広告は1つも入っていない。

土曜日の17:00から17:45の滞在。相客はご高齢の方が中心で10数人という感じ。場所柄、夜には若い人も多いのだろうと思う。

同湯の直ぐ近くに第一證券の寮があって、ホサカ君のご両親が管理人をしていた。中学2年生の中間試験の打ち上げで、寮の空き部屋で、缶ビールを買って仲間と酒盛りをした。今思い返しても、缶ビール1本だけど、頭がグルングルンしたのを覚えている。酔っ払って、寮のベランダで盛んに爆竹を鳴らした。今思い返しても、ヒデぇ中学生である・・・。

目白でのゼミのOB総会へ向かうべく東北沢駅へ行く途中に、その地を通ると、瀟洒なマンションに変わっていた。