吉野湯（茅ヶ崎市共恵）

差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2003年11月30日日曜日 13:12
宛先: 銭湯ＭＬ
件名: [sento-freak:04618] 吉野湯（茅ヶ崎市共恵）

ナカムラです。

今日（11/29）は、「吉野湯（茅ヶ崎市共恵）」に行ってきました。

「恵比寿湯（茅ヶ崎市南湖）」を出て、すぐ近く、女将一人で切り盛りする「とり良」というヤキトリ屋でちょっと休憩。休憩したので、もう一湯・・・。ということで、駅までの帰りの道筋（海岸通り商盛会）にある吉野湯へ。

油井型の煙突。入口は黒瓦が載った千鳥破風。暖簾はなく、入口上の大きな木の板に「吉野湯」と書かれている。入ると正面に大黒様のタイル絵。小槌の打面に「吉野湯」と描かれている。胡山画の銘。傘立てがあってよく見通せないのは残念。

下足箱は４８番までで、錠は松竹錠。番台へ通じる２枚の戸。戸の上には、「男（温泉マーク）湯」の、昔は電灯が点っていただろう行灯型の表示灯。戸は両方開くことはなく、どっちが開くかは各銭湯でマチマチ。時々戸惑うことがある。センターから遠い方の戸を開けて番台。７０半ばくらいの農家のおばあちゃん然とした女将。ここも３９０円。

脱衣所の天井は折上格天井（５×１１）。渋いこげ茶色。壁は多少黒ずんでいるが白壁。なかなか歴史を感じさせる組み合わせになっている。
止まっているけど、黒く長い柱時計。男女境にはスポンサーの商店名が一杯書き込まれている鏡。少しの曇りもない。床は古く黒い板の間。なかなか渋い感じ。

先刻訪れた恵比寿湯と同じ構造で、壁側に９個のオール木製のロッカー、SakuraⅡの錠が付いている。多少チビているかな、小生は丸籠を使う。その横にサウナボックス。稼動している様子はない。ドリンクは大塚の自販機のみで、飲料の種類も限られている。

土曜日の１８：１５。先客６人。それなりに客が入っている。

浴室への入口のアルミサッシの上には、こちらの家紋なのかな。
「丸に桔梗」の家紋が４つ、曇りガラスで描かれている。

浴室は、幅３間、奥行き４間の広さ。天井は２段型。濃い目のブルーと白のペンキが塗られている。

島カランは１つ。カランはセンターから５・４・４・５。シャワーはすべてに付いている。島カランは断面が凸型の鏡が独立している大型のもの。桶は黄色無地。椅子は市販のもの。床のタイルは、パール色ではないが、アワビの裏側のように白く光るタイルが張られている。

浴槽は、広い方がバイブラ、素、電気風呂が混在したもの。狭い方が一人用の座ジェット。温度は４３度くらいかな。

ペンキ絵は、キャンバスに連山が描かれている。女湯も同様だった。絵の下には、広告が４つ。「新世美術」「質屋」「歯医者」「質屋」。広告を出している先は恵比寿湯と全く同じだった。それにしても、質屋の看板に月３分から８分って書いてあったけど、そんなに金利取ってよかったんだっけ・・・？

センターには、伝統的なタイル絵（４枚×６枚）が３枚（①弥次さん喜多さんの赤坂宿、②国立公園西湖、③金太郎の鬼退治）。タイル絵は、改修された新しいタイルとごく一部分が重なってしまっている。しかし、丁寧に処理されているため、このタイル絵を大切にしていると感じられた。

そう、帰りにお手洗いを借りたけど、正面に鷹のタイル絵（２枚×２枚があった。九谷の四角い朱印のあるもの。そして、トイレにある電球の燭台は緑青を吹いて膨張してたけど、凝った意匠の施されたものだった。昔はガラスのカバーが付けられていたと思う。

サザンのオルゴール曲が流れる寂れた商店街の奥に佇む古式ゆかしい銭湯。表では東海道線の電車が通る音が響いている。