吉野湯跡(茅ヶ崎市共恵) 2008.06.01

茅ヶ崎・吉野湯は、2005年の大晦日を以て廃業した。後から聞いた話だけど、大将はこの4月に亡くなられて、葬儀では小生が撮影した吉野湯の写真が添えられたという。

ご遺族の方から、写真のお礼と建物は壊してしまったけど、タイル絵が新しく建てられた建物に残されているので、茅ヶ崎に赴いた折には眺めてほしいというメールを頂いた。しばらく時間が経ってしまったけど、見事な胡山画を見に行くことにする。

同湯は、茅ヶ崎駅からサザン通り商店街を抜けて1.0キロ、10分程度。場所はすぐに分かったが、改築された新しい家に肝心のタイル絵が見つからない。大回りして、敷地の裏に回ったりして周辺をウロウロしていたら、当然に家人から声が掛った。

「インターネットの人ですか・・・?」との問いかけ。はいと返事をしていいものか迷う問いではあるが、とりあえず「ハイ」と答えた。ひとしきり会話をした後、額装した小生の5年前に撮影した写真を見せてくれた。デジタル以降、銭湯の写真をプリントしたことすらないのに、額に入れられた自分の写真を見せられて、少し不思議な感じがした。

タイル絵は、通りからは見通せない位置に掲げられていた。秀逸なタイル絵で、保存状態もいい。別棟には大黒柱の黒時計もある。見せて頂いた。

男女境にあったおとぎ話の一連のタイル絵は、取り外すことができなかったらしい。

《前回訪問:2003.11.29》






大黒柱に掛っていた黒時計


玄関先にある胡山画のタイル絵

帰ってから知ったけど、今日は少しばかり早い大将の四十九日だったようだ。
大女将へお悔やみの言葉を言えなかったのが悔やまれる。。。



吉野湯跡