差出人: Masayuki Nakamura
送信日時: 2019年4月7日日曜日 19:34
宛先: 銭湯ML (sento-freak@freeml.com)
件名: えびす湯(豊島区駒込)

ナカムラです。今日(4/5)は、「えびす湯(豊島区駒込)」に行ってきました。
巣鴨駅と駒込駅(山手線等)から、1.0キロ、10分くらいです。
最寄り駅は東京メトロ南北線の西ヶ原駅で、0.8キロほど。

この辺りは江戸時代に“染井吉野”が開発された所で、折しも巣鴨、駒込で満開に近い桜を見ることが出来た。そして、同湯のある染井銀座商店街は谷端川の暗渠添いに出来た商店街で、可笑しいほどに緩やかに“蛇行”して、川の名残を強くとどめている。

同湯はそんな染井銀座から、巣鴨方向にひと筋、台地側に入った所。隣湯の香取湯も至近の距離にある。

航空写真によれば、戦前からの銭湯で(画像の解像度が低く推測程度の確度)、付近一帯とともに戦災で焼け、戦後再建。2段型の伝統的木造銭湯が昭和40年代後半から50年代前半にかけて、現在の銭湯を主体の古いコンクリ造の建物に建て替わったと見て取れる。

既にガス焚きに替わっていて高い煙突は見当たらない。暗いのでよく分からないけど、外観はちょと草臥れているかな。中の設備も外観と同じように疲労の色が濃い。

お湯は地下130メートルから汲み上げた弱アルカリ性の井戸水を沸かしている。ドーム型天井の浴室には、コーナーに滝(非稼働)が設えられた白湯槽に加え、福島県の安達太良山麓の沼尻温泉の湯の華を使った淡い白濁の大きな薬湯槽がゆったりしていて気持ちがいい。サウナはないけど立派な水風呂もある。これからの季節には堪らないだろう。

ビジュアルは、奥壁に男女湯に跨る圧巻の“天草五橋”のモザイクタイル絵。男湯は橋梁を中心とした風景。女湯は複雑な海岸線を中心とした主に自然の風景になっている。

顔は厳ついけど、オヤジの柔和な笑顔は銭湯界屈指と感じさせられた。風呂銭を払ってから、相方と上がる時間を示し合わせていると、オヤジが浴室の時計が10分進んでいるから注意してと教えてくれた。こんな経験は初めてだ。

上がりは、古い自販機で明治の瓶牛乳130円。オヤジと3人で古く珍しい自販機の話でささやかに盛り上がる。

近くには、惹かれる激レトロ系のとんかつの『みのや』がある。“沼尻温泉”と水風呂を何往復もした後、『みのや』で軽く一杯やってみたい。

金曜日の19:50から20:40に滞在。相客は7、8人ほど。設備は古く特筆する何かがあるわけではないけど、前に来た時もそうだったけど、いい所が多く気になる銭湯だ。

《前回訪問:2012.11.22.》

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
URL: http://furoyanoentotsu.com(風呂屋の煙突)
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