差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2006年3月19日日曜日 13:02
宛先: 銭湯ML
件名: 福徳湯(横浜市神奈川区神大寺)

ナカムラです。

今日(3/18)は、「福徳湯(横浜市神奈川区神大寺)」に行ってきました。
三ツ沢下町駅(横浜市営地下鉄)から、0.7キロ、15分くらいです。

息が切れるほどの急坂を登ると、尾根筋にあたる高台に「ガーデン山商店街」がある。

戦災で焼けてしまうまで、ここには大沢幸次郎氏が造った、5万坪もの広大な庭園「横浜ガーデン」があって、無料開放されていた。小学生が遠足に訪れるところでもあったようだ。
庭園の中には、噴水、四季折々の花が楽しめる花壇、日本庭園や池、めずらしい植物や果樹を集めた温室、熱帯魚の水槽、孔雀やホロホロ鳥、ヤギ、ブタ、ウサギ、サルなどの動物小屋までもがあった。無くなって60年以上になるけど、商店街の名前だけでなく、郵便局やスナック、洋食店にも、このガーデンの名がついている。福徳湯のコインランドリーも「ガーデン」だ。

ガーデン山団地内にある児童公園の池がその名残らしいけど、自治会が管理する「ガ自街」のプレートが貼られた街灯が多数立ち並ぶ防犯意識の高い地域のようで、立ち入り禁止の団地内の探索は止めにした。

急坂を上がって商店街に行くより、地下鉄で買い物に行くのだろう。地下鉄が開通してガーデン山の商店街は寂れてしまった。でも、同湯はその中心で今も存在感を発揮している。花を置く本屋とのセットも風情がある。入口はその間の小道にある。

入口の両サイドはコインランドリー「ガーデン」。真中に花王の「銭湯浪漫」の暖簾が掛かる。同湯は赤ペンキのトタン屋根ながら2段重ねの破風を持つ伝統銭湯。それに靴脱ぎスペースとフロントスペースの2つの直方体を増築した構造になっている。

下足スペースにある下足の錠は松竹。番号が全部女湯を意味する赤色で書かれているので、少し戸惑う。自動ドアを入るとすぐフロントスペース。周りには入浴グッズがいろいろと並んでいて、雑然としている。こういった雑然さは好きだ。購入したものだろう、油絵がいくつか並んでいるのが特徴的だ。小生の好みにも合う絵だ。

女将にサウナ代(100円、バスタオル付)込みとして1000円を渡す。直ぐには、釣りがいくらか判らないばかりか、バスタオルを渡すことも要領を得ない。病気されたのか、老人特有のものか。全ては順番ゆえ、少し身に詰まされるものがある。

脱衣所の広さは、オリジナルの3間四方に、一部商店街側に1間強増築されている。窓の外は直ぐバス停があって、背伸びすればバス待ちの人と顔が合う。

天井は古色蒼然、渋い焦げ茶色平天井。松竹シリンダ錠のロッカーは、外壁側と男女境の鏡の下にあるだけで島ロッカーがないので、銭湯の原風景が残っている。なかなか居心地がいい空間がある。

その他、TANAKAのアナログ体重計、トレーニング機器、飲料の自販機、洗濯機1台、新旧のマッサージ機、テーブルにソファがある。ソファの向かいにある椅子に驚いた。初めはただのソファかと思ったけど、新幹線の3人掛けの椅子だ。ご主人は鉄道マニアなのか、払い下げを受けたもののようだ。

浴室は、オリジナルは幅3間、奥行4間半のスペースに、外壁側を半間ほど増築している。浴槽のある最奥の半間もくり抜いたように天井が低いので、あるいは増築なのかも知れない。天井はウィング部が幅広い2段型。なかなか大型の銭湯だ。

島カランは2列で、カラン数はセンターから、7・6・6・6・5・2(立シャワーブース1)。外側の島カランにはシャワーはない。カランは日の丸扇の刻印がある角型のもの。

浴槽は、深浅2槽。深槽が「宝寿湯」で電気風呂になっている。温度は42度くらい。手作りのものだろう電気風呂の入り方が図解されている。背中から入って行くのか・・・。初めて知る。電気は苦手なのでどこでも敬遠しているけど、なるほど、背中から入ると衝撃が少ない。やはり、あまり小生向きではないけど、たまに試すのはいいかなと思う。

浅槽は、真中がパイプで仕切られていて、外側がバイブラバス。真中が6点座ジェット×2。このジェトの構成が初めての遭遇。背中に4点とふくらはぎと足裏に1点ずつ。つまり、脚は交互にジェットに当てるというもの。初めは壊れてるのかなと、2座ある双方を試したけど、同じだった。これにも使い方の図解があって、座っているのが胸をあらわにした女性なのは、男湯客に対するサービスなんだろう。ここは神奈川大学が近い、若い大学生風が10分以上も水を投入していたので温度は低い。

外壁側に増築されたサウナは、電磁式遠赤外線サウナというもの。1間四方で4人用くらい。フィトンチットを芳香しているようで、いい香りが心を鎮めてくれる。水風呂は無理すれば2人というサイズで、冷却装置はあるようだけど、壊れているのか稼動しいていない。ご常連は水栓を全開にしている。

ビジュアルは、浴槽上のオーバーハングした低い天井というかプラ板の壁に、写真をプリントしたシールが貼られている。大したものではないんだろうけど、これがあるのと無いのとでは、浴室の雰囲気が大きく異なるだろう。そのあたりは、絵が判る同湯の方はご承知のことだろう。

時間に余裕があって、サウナ、水風呂があるとどうしても長湯になる。滞在は17:30から19:00。相客は10数人といったところ。
なお、同湯の本店は蒔田の「福徳湯(南区共進町)」で、現在は同湯の弟さんが経営されている。

上がりは、フロントに行けばビールがあったのかも知れないけど、脱衣所の自販機で7up。この飲み物も久し振りだ。昔はチェリオが製造していたが、今はサントリーが扱うので自販機でも見ることがある。単なるレモンソーダだ・・・。

バスで横浜駅西口の濃い飲み屋街「狸小路」へ。お目当ての串揚げ屋が満席だったので、桜木町駅経由で野毛に出る。
横浜・居酒屋界の至宝「武蔵屋」に向かうが、土・日・月は休みのようだ。
アメリカンスタイルのスタンディング・バーの風情を残す「バラ荘」と対極、和の奇跡の風景が残っている。

和風お色気女将の「トモ」や立ち食いの「福田フライ」が頭に浮んだけど、やや億劫になって、「三幸苑」で餃子とビール。
何かカクテルが飲みたくなったので、港興産3号館2階のBAR「DEJAVU」でマティーニとシンガポールスリング。初めての店。なかなか雰囲気は良かったけど、ジンが冷凍庫で冷やされていないのは残念。やはりマティーニは、出されたときに、グラスに露が付くくらいに冷えていなければならない。

関内、伊勢佐木長者町、阪東橋まで散歩して、阪東橋経由で帰館。











同湯脇にはバス停がある。フロントにも時刻表が張られていた。
普通の銭湯にバスの時刻表があるのは珍しい。
坂が多く、バスが地元の足として、より身近にあるんだろう。



払下げを受けた新幹線の座席
あまりに溶け込んでいるので、初めは気がつかなかった。
よく見ると専用のカバーだ。大切にされているようだ。


神奈川区神大寺(かんだいじ)一丁目 [昭和59年7月23日設置、住居表示]

町名の由来
昭和59年の住居表示施行に伴い、神大寺町、片倉町の一部から新設された町です。

古くは橘樹郡(たちばなぐん)神大寺村といい、明治22年の市町村制施行の際、小机村大字神大寺となり、明治25年に村名を改称し、城郷(しろさと)村大字神大寺となりました。

昭和2年の横浜市編入の際、城郷(しろさと)村大字神大寺の区域に神大寺町を新設しました。

町名は旧村名を採りました。『新篇武蔵風土記稿』の「神大寺村」の項に「昔は神臺(だい)地と書きしと見ゆ。村名の起りは近村小机の城主笠原越前守信爲(のぶため)此(この)地に一宇(いちう)を草創して神大寺を建り、其(その)二世の住僧天叟順孝(てんそうじゅんこう)代に至て此(この)寺を小机村に移す、今の雲松院是(これ)なり、もと當(とう)村にありし時の寺號(ごう)を呼て村名起る」の記録があります。笠原信爲(のぶため)(?−1557)は戦国期の武将で、北条氏綱に仕え、小机城の城代となり、雲松院の開基となりました。

三丁目に神大寺公園(こどもログハウス・トムソーヤ)があります。
「横浜の町名」(横浜市市民局)より


《横浜駅西口・狸小路/野毛》

横浜駅西口・狸小路

野毛・「DEJA-VU」


横浜駅跨線橋

横浜駅東口・月見橋
画家・松本俊介が繰り返し描いた橋