久松湯（練馬区桜台）

差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2011年5月26日木曜日 6:47
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件名: 久松湯（練馬区桜台）

ナカムラです。

今日（5/22）は、「久松湯（練馬区桜台）」に行ってきました。桜台駅（西武池袋線）から、0.4キロ、4分くらいです。

今日は、朝から東陽町まで運転免許の更新に行ったり、巣鴨のスポーツジムに行ったりと慌ただしく予定をこなす。日中は28度ということで、半袖に短パンそれに麦わら帽子で出かけた。しかし、池袋で買い物をしていると予報通りの雨降り。予想外だったのが、強い雨とともに気温が急に下がった。10度近くも下がったので、寒く、雨の中で惨めな気持ちになったものの、気になる桜台の久松湯に向かった。

昭和32年築創業の伝統的木造銭湯。しかし、現在はアドヴァン建築設計事務所の手で「渚の湯」と「霞の湯」と称する風呂を男女交互に提供する設備系の銭湯にリノベートされている。

以前は古い製麺店とコインランドリーの奥にあった。しかし、印象的にボロかったうどん屋は更地になっている。「男女サウナ　久松湯」と記されたコンクリ煙突とトタン屋根に赤いペンキが塗られた同湯の建物が表通りから眺めることができる。

去年来た時には気が付かなかったけど、幅1間、奥行4間ほどのコインランドリーの三角屋根の縦長の建物は、おそらく増築ではなくオリジナルのようだ。同湯開業当時はコインランドリーというものが無かった。物置として、母屋とともに建てられたもののようだ。

暖簾を潜ればバリヤフリー化されたエントランスにSakuraG錠の下足箱が並ぶ。自動ドアを通れば広いロビースペースがあって、正面に白髪の大女将が座っている。

サウナはプラス200円で引っ掛けキーが貸し出される。さらに100円を追加してモスグリーンのふっくら厚手のバスタオルを借りた。

今日は露天風呂がある「渚の湯」は女湯として使われているようだ。仕方なく「霞の湯」の脱衣所に入る。3間四方の空間。天井は折上げ格天井。壁だけでなく天板にも上等で落ち着いた柄のクロスが張られ清潔度が高い。

ロビースペースとサウナ室の食い込みがあるので物理的にはそこそこ狭い。しかし、木製手摺りがある縁側の向こうが溶岩で囲われた庭池になっていて、向こうにあったうどん屋が無くなったので、明るい庭に変わっている。

ロッカーは、100円リターン式のもの。その他、TANAKAのデジタル体重計、自販機、ロッカーの上には扇風機が載せられている。

浴室は、幅4間、奥行4間の2段型の空間。幅1間分は後からの増築。大黒柱や窓周りはステンレスで覆われ、天井や壁はプラ板が張られている。夕方なのでまだ点いていなかったけど、高天井の中央には水銀灯と思われる大型の照明器が据えられている。

島カランは2列で、カラン数はセンターから7・6・6・6・2。浴槽は、奥壁から外壁に沿ってＬ字型に、薬湯、7点座ジェット、2穴スーパージェット、ヒップアップマッサージ、電気、バイブラ。そして、5人は入れるような大型の水風呂が並ぶ。お湯の温度は42度弱。薬湯だけは 40度くらいのぬる湯になっている。

井戸が主体で足りない時には水道水。それを薪で沸かしている。わずかな色付きからして、今日は井戸水のようだ。休日にゆっくり入るにはいい温度設定。サウナ、水風呂、そしてゆったり入れる浴槽群。かなり満足度が高い。

ビジュアルは、幅4間の奥壁と側面1間の計5間幅の切り絵調のモザイクタイル絵。茜空に横浜ベイブリッジが大きく横切っている。銀座湯の銀座四丁目・和光の夜景に匹敵するいいモザイクタイル絵だと思う。

もう廃業してしまったけど、同じ絵を横浜の上大岡・豊島館で見たことがある。大きさまで思い出せないないけど、同湯の方が大きさで勝っていると思う。

この絵はいつのものだろうか。中普請を手がけたアドヴァン建築設計事務所は、いくつもの銭湯の中普請の過程で、ペンキ絵を排除してきたことが、結果として良かったことなのか後悔しているようだった。プラ板やステンレスで旧状を覆ってきたことも同様だと思う。

最近は、奥壁にペンキ絵に戻す仕事も手がけているようだ。手間のかかるペンキ絵は、いつの時代であっても銭湯に足を運ぶ客に潤いを与えてくれる。ただ、この茜空の横浜ベイブリッジも優れた絵ではある。。。

雨降りの日曜日の夕方17:40から18:30に滞在。相客は20人近かった。プラ板張りの内装が残念だったけど、銭湯としての基本性能は申し分ない。いい銭湯だった。

上がりの一杯は、バスで十条に戻って「源」。毎週行っているせいもあって、暖簾を潜って戸を開けると、大将の「いらっしゃい」ではなく「今晩はぁ！」という言葉が返ってきた。初めてのことだと思う。。。

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ナカムラ　（Masayuki Nakamura）
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手前に古い製麺店があった頃（2010.07.17.撮影）