差出人: Masayuki Nakamura 送信日時: 2019年2月11日月曜日 21:34
宛先: 銭湯ML (sento-freak@freeml.com)
件名: 草津湯(荒川区南千住)

ナカムラです。
今日(2/2)は、「草津湯(荒川区南千住)」に行ってきました。
南千住駅(常磐線等)から、0.4キロ、4分くらいです。

大阪王将が展開する『太陽のトマト麺』。チェーン店だけど、水道橋店はトマトの味が濃厚でコク深くて好きだった。しかし、1/20で閉店したようで、ビルの1階はガレージのようにカラ。小さな袖看板が端っこに置かれていた。嗚呼。

そんなこんなで、初めて神保町で噂のライスカレー『まんてん』でカツカレーを食べ、古書店街を散策し、訪問先を草津湯に定める。東京駅から「上野-東京ライン」で、あっという間に南千住駅に着く。

駅前は小塚原刑場を連想させるコツ(骨?)通り。人足寄場の山谷や吉原からも近い。どちらかと言えばネガティブな歴史を背負う街。駅前にはタワーマンション。そんな南千住駅前の変貌に驚く。

大きく言えば草津湯は常磐線の際。11年振りの草津湯。同湯の一角は戦災を免れている。さらに、昭和11年の航空写真でも同湯らしき建物が確認出来る。少なくとも戦前からの長い歴史を持つ銭湯だ。

ちょっと路地を進んだ奥にある叙情的と言ってもいいロケーションに、コンクリ煙突を擁する唐破風の伝統的木造銭湯がある。下足箱はカナリア錠。正面の傘を差入れる方式の傘ロッカーのはMoMTokyo錠。カナリア錠の銭湯はいい銭湯が多い。玄関先には人間に慣れた黒猫。客に可愛がられている。

折上格天上の脱衣所はめくるめくレトロな世界。左右に衝立がある木組みの番台は威風堂々。明るい照明が何よりいい。

やや熱めの井戸水だろうお湯は円やか。ジェットもボタンを押さなければ稼働しない。銭湯の静寂。心身ともに解放され癒される。

20:00近くになると相客は無くなり、久し振りにペンキ絵(田中さん)の写真を撮らせて頂いた。いつ描かれたものかは分からないけど堂々とした富士山のペンキ絵だ。

埃っぽくて初訪時あまりいい印象は持っていなかった。しかし、何でそんな印象だったんだろうかと不思議になるくらい。脱衣所の床が樹脂製のクッションフロアなのがイマイチだったけど、それを除けばレトロ系のとてもいい銭湯だった。ビールなど冷蔵庫の飲み物も豊富。客が多いことを窺わさせられる。たまたま空いている時間帯だったのかも知れない。

土曜日の19:10から20:00に滞在。相客は3、4人くらい。奥まった風情あるロケーションにある伝統的ないい銭湯だ。

上がりの一杯は前から行きたかったドヤ街山谷の真ん中のドヤのビルの1階に入る大衆居酒屋『丸千葉』。看板30分前なのに満席。少し待った後に明るく剽軽な大将はカウンターに押し込んでくれた。安くてボリュームがある美味しい料理。焼酎の量は横須賀に負けない。いい居酒屋だった。

山谷では労務者群同士の石の投げ合いや、夜に角材を手にホームレスが彷徨う光景に驚愕した経験がある。そんな30〜40年前に比べると、山谷も本当に静かになった。

《前回訪問:2007.06.30.》

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
URL: http://furoyanoentotsu.com(風呂屋の煙突)
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      JR貨物隅田川駅。かつて、常磐炭田の石炭を積み出した水運との連接点だった。郷愁を誘う風景だ。












                    コツ通り商店街




                                 山谷の簡易旅館街




                      丸千葉




        価格は普通の大衆居酒屋価格だけど、倍の量がある。


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