差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2006年6月10日土曜日 13:51
宛先: 銭湯ML
件名: 竹の湯(横浜市鶴見区生麦)

ナカムラです。

今日(6/9)は、「竹の湯(横浜市鶴見区生麦)」に行ってきました。
生麦駅(京浜急行線)から、0.3キロ、4分くらいです。

生麦は銭湯密集地域。しかし、「横浜の銭湯マップ(2006)」と「横浜お風呂屋さんMAP(2002)」を比較すると、この間に「浜の湯」「宝湯」「松の湯」の3軒もの銭湯が廃業している。その中で、大正末期創業の同湯は、改築のための休業を経て、4月21日に新装オープンを果たしている。

先週入手した、新しいマップに、設備充実の銭湯として掲載されていて、同湯の新装オープンを知る。
小生は中年のお年頃。いろいろな事柄との関係が増えたのか、最近は抜けない疲れが、身体の底にヘドロのように沈殿している感覚がある。金曜日は、そのヘドロを溶かすべく、せっせとサウナへと向かうことになる。

生麦駅の踏切は、毎日電車で通っても特徴的だと思っていたけど、実際に歩くとやはり、特徴的な踏切だ。京浜東北、東海道、横須賀、貨物線、京浜急行がそれぞれ平行しているので、かなりの幅がある。緩衝地帯が3つあって、うち2つには踏切内踏切が設置されている。貨物線はアンダーパスになっているし、京急とJRの踏切の間には、何とマンションが建っていて、1階に「ふみきり歯科」なる歯科医院が入っている。この踏切の特異性が、地元でも認識されているんだろう。

そんな踏切を渡って、駅裏の「松の湯(岸谷町)」を見に行く。建物、煙突はそのままだ。同湯は黒湯の温泉銭湯だったが、未訪のうちに、休業、廃業と相成ってしまった。JR国道駅近くの、もう一軒の「松の湯(生麦町)」も、日本一の濃度のある黒湯として名声を馳せていたけど、昨年12月のポンプの故障以来、黒湯温泉は無くなってしまった。ポンプを直す計画がないという、厳しい状況のようだ。「あぁ、生麦温泉郷」・・・。

さて竹の湯。駅から短い商店街があって、第一京浜を渡ると同湯は直ぐにある。
暗い何とわない路地だけど、駅からの道にクロスする、同湯傍らの道は旧東海道だ。今は埋め立てられて、海は遙かかなたに行ってしまったけど、緩やかにカーブする旧東海道の南側はすぐ海だったはずだ。

将軍・徳川秀忠の通行のために、村民がぬかるんだ道に浜辺の生麦を刈って敷いたという。その感謝の印として、将軍は、生麦の地名と御菜八ケ浦としての漁業特権を与えたとの話しがある。この言い伝えは、この辺りなのかも知れない。

同湯の開業は大正末期の関東大震災のころ。明治末期から浅野財閥資本の埋め立てがはじまったけど、この頃はまだ、海が近かったはずだ。

同湯は小さいながら、スーパー銭湯の設計を手がける、アドバン建築設計事務所の設計になるもの。マンション部分もデザイン的な設計になっている。右手にコインランドリー、左手に、オリジナルというか、手作りというかの暖簾が架っている。

同湯は全てが小振りで、自動ドアの靴脱ぎスペースも小さいもの。2、3人の客が競合するだけで、往生する広さと言っていい。正面には、扉がアクリル板で松竹のアルミ板鍵の下足箱。手持ちの傘は、やはり松竹のアルミ板鍵の傘立てに入れる。

3畳間ほどのフロントがある。飲料の販売は脱衣所の自販機によるので、ベンチがあるだけの簡素なフロントだ。テレビなどもない。フロントの女将に400円とサウナ代150円を払い、「生麦の里 竹の湯」と書かれたバスタオルとサウナ室のひっかけキーが入ったバッグを受け取る。新築のサウナで150円というのは、良心的な価格設定といっていいだろう。

同湯には、「カリブの湯」と「橘の湯」があり、男女日替わりで供されている。今日は、露天風呂がある「橘の湯」が男性用で、ツイている。

脱衣所は、2間四方がベース。トイレ、フロントへの通路や衝立にスペースが取られて、実質的にはかなり小振りな感じだ。しかし、繁盛店の大船・ひばり湯もこの程度だ。小銭湯としては必要十分だろう。天井高は、1間と1/3くらいとビル銭につき低い。

ロッカーは、真中に物置きスペースのあるもので、上2段が通常サイズで、物置きスペースの下1段が縦長のロッカーになっている。錠は松竹のシリンダ錠。その他、自販機、時報の代わりに音楽を奏でる飾り時計がある。

浴室は、幅2間、奥行3間半というところ。
カランは、脱衣所側に向かい合わせで3・3と外壁側に4、続いてある水風呂の側面に3。

主浴槽は、男女境の真中部分にあって、端に1穴ジェットと、「フットエステ」という足裏に強烈な噴射をあてるものがある。これは初めての遭遇。うっぅと、なかなか効くものだ。
温度は42度くらい。反対端に、足裏を刺激するセラミック製のイボイボが沈められてある。歩行湯としては経験したことがあるけど、一部を切り取って、主浴槽に沈めてあるというのは初めての遭遇だ。「足裏」に拘りがある銭湯のようだ。

外壁側に水風呂。2人程度は入れるもので、ザンザンと循環し、温度は18度。温度が低いので、あまり長く入っていられない。水風呂としてはしっかりしたものだけど、個人的には、もう少し温度が高い方がいいかな。

正面奥には立ちシャワーが1機とその横に無理すれば5人くらい入れるサウナ。電気式のサウナで、時々天井からサウナ石に水が落ちて、湿度が加えられる。25型くらいのテレビがあるのもいい。しかし、このテレビ、網硝子の置くに鎮座しているけど、画面の左下に「温度」という文字が黄色く点滅し出した。大丈夫かなと思うとともに落ち着かなくなる。

ビジュアルはない。しかし、壁のタイルはコヒー牛乳を淡くしたような色使いで、所々に焦げ茶色のタイルでアクセントを付けている。シンプルながらシックで上品な感じがする。なかなかいい雰囲気だ。

外壁奥に、露天風呂への戸があり、幅1間、奥行2間ほどの露天スペースがある。床と腰周りが緑基調の石張りで、その上部が竹と板張りになっている。奥に枯山水風の壷庭もあり、なかなか落ち着いたいい雰囲気のスペースに仕上げている。

風呂は、「高濃度人工炭酸泉」というもの。温度が36度と低温の設定なので、まさに寛ぐための風呂という感じ。新潟の駒の湯や山梨の下部温泉を思い出すいい湯、いい雰囲気だ。でも、もう少し温度が高い方がいいかな。

上がりは、自販機でスーパードライ230円で一服。金曜日の22:00から23:10に滞在。相客は6人ほど。小銭湯だけど、この程度の客なので静かだ。気に入った。
生麦駅はアクセスしにくいので、そんなに来るというわけにはいかないけど・・・。

駅までの途中にいいパブがある。サッカーのワールドカップ開幕戦の観戦があるからか、カウンターは満員だ。入りたいけど、終電までさほどの余裕がない。仕方がないので?、コンビにで「氷結」を買って我慢した。



踏切の「中洲」にある「ふみきり歯科」


「FRESH MALT PUB」


駅の直ぐ北側の松の湯(岸谷町)


石が敷かれた路地の奥にある


京急線側から


京浜東北線側から