差出人: Masayuki Nakamura <masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp>
送信日時: 2012年11月4日日曜日 12:36
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件名: 帝国湯(台東区浅草橋)

ナカムラです。

今日(10/26)は、「帝国湯(台東区浅草橋)」に行ってきました。 浅草橋駅(総武本線等)から、08キロ、9分くらいです。

港区三田での仕事を終え、都営浅草線で浅草橋まで。この駅の周りは、楽し気な飲み屋が多い。

先ずは、駅ガード下の美家古寿司本店の立食部へ。1カン75円からとの表示がある。10人も立てば 一杯という狭いスペース。その半分弱を使って職人1人が握っていた。仕舞いに近いからか、寿司 種のケースにネタは10種類くらい。少し寂しい。お絞りなども出されず、ステンレスの寿司台の下 に、水道の蛇口と溝がある。なかなか無骨な店だ。

柳橋の美家古寿司本店は、江戸時代の屋台を発祥とする老舗中の老舗。立食部を含め浅草橋で3店 舗を構える。ただ、立食部の寿司は、温かいシャリを握る他の2店とは別種の寿司で、少々落胆。 普通に美味しいけど、特徴には乏しかった。

10分ほどで小振りの寿司を11カンほど頂いた。計1200円。特に75円の昆布〆の小鯛が美味しか った。隣の御仁は旨そうな刺盛りで一杯やっていた、切ってもらえばいろいろとあるのかも知れな い。

所々に残る戦前の建物を眺めながら、弁天湯鶴の湯を通り過ぎる。先月、弁天湯に来た時にも思 ったけど、是非、明るい時にまた歩きたい地域だ。

戦災を逃れた鳥越、浅草橋5丁目界隈。同湯の裏にも戦前からの建物がいくつも残っている。明治 の末頃の創業という。先代の建物は素晴らしい洋風建築だったと聞く。すぐ前の蔵前通りを渡れば” おかず横丁”の通り。内風呂はおろか、台所すらなかった家も多かったという土地柄。付近の銭湯 は繁盛を極めただろうと想像される。

現在は11階建て程のマンションに替わり、その1階に入る古いビル銭湯。しかし、建物側面、道端 にある釜場では薪を燃している光景を眺めることができる。

暖簾を潜れば、両サイドにカナリヤ錠の下足箱がある小さな靴脱ぎ。ビル銭で旧型のさくら錠に出 会うことはあるけど、カナリヤ錠は初めての遭遇かも知れない。法則として、カナリヤ錠の銭湯は いい銭湯が多い。

アルミサッシの扉を通って中に入れば、木目プリントの新建材で前面がカーブした高い番台。姿勢 よろしく下町風のキリっとした女将さんが詰めている。先代建物譲りの高さなのだろうか、小さな 銭湯にしてはかなり高い番台だ。

脱衣所の広さは、幅3間、奥行4間ほど。天井高は2間くらい。エントランス部分やトイレが食い 込んでいる。それ故に、かなり小ぢんまりした印象を受ける。

ビル銭といえども、外に開かれた部分があるのが普通だ。しかし、外壁側に窓はなく、正面も舗道 との隔ては一部ガラスブロックが使われている壁のみ。強いて言えば、上に換気用の回転窓がある くらい。広さというのではなく、凝縮された空間という印象を受ける。

ロッカーは、ノーブランドのシリンダ錠の島ロッカーが縦置きに1つと、外壁側に松竹錠アルミ板 鍵のものが少々。その他、Hokutowのアナログ体重計、木製の身長計測器、ベンチなどがある。そ して、端っこになぜか灰皿も。。。

浴室は、幅3間、奥行4間ほど。天井は高さ2間ほどでフラットでプラ板張り。奥壁に接する浴槽 の上に男女それぞれの湯気抜きがある。そして、男女境には直径1メートルはある丸柱が存在感を 放つ。

塗りたてなのか内側に塗られた白ペンキが、眩しいくらいに輝いている。

上面に緑色の長方形小タイルを張った島カランが1列。カラン数は、センターから6・6・6・6。床 のタイルは6センチ角くらいで内側に滑り止めの突起があるもの。いつの頃の建て替えなのか、ア ールのあるタイルを多様したそれなりにレトロ感のあるものだ。

浴槽は奥壁に接した深浅2槽で、いずれもライトグリーンの薬湯。熱いお湯が好きな方はどうぞと PRするほどにお湯は熱い。主浴槽の浅槽は、2穴ジェット×2&バイブラで、湯温は44度くらい。 何の設備もない深槽は45.5度といったところ。入れないこともないけど、身体に悪そうなので、挑 戦するのは止めておく。

ビジュアルは奥壁全面に絵付けの洋風のタイル絵。絵柄は洋館、牧柵、道、アルプス調の高嶺とい うもの。少し大味かな。

金曜日の20:50から21:20に滞在。相客は6、7人ほど。特徴あるビル銭湯。お湯の熱さを主張する 古風な下町の銭湯でもある。ただ、井戸水なのだろう、カランの水に微かなドブ臭があって最後ま で気になった。お湯では感じないものの、水だと感じる銭湯がある。

上がりは牛乳を我慢して、すぐ先の交差点の角に見えた吉野家に入った。この時刻、2階は閉鎖さ れ1階は9席だけ。さんざん世話になってきた吉野家。久し振りに入って、寂れたなぁとの印象を 受ける。ここは、外の人通りも多くなく、相客は道路工事に向かう草臥れた爺と、若いサラリーマ ンの2人だけ。

牛皿とビール(中瓶)。相変わらずキンキンに冷やされたグラスが出て来た。1日の終わりにしみじ みやるのには相応しい。銭湯よりも郷愁漂う空間だった。満足。。。

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
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