差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2010年6月23日水曜日 22:22
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: 天徳湯(さいたま市浦和区木崎町)

ナカムラです。

今日(6/18)は、「天徳湯(さいたま市浦和区木崎町)」に行ってきました。 与野駅(京浜東北線)から、0.2キロ、2分くらいです。

旧与野市は浦和や大宮に比べて地味な市という印象を持っていたけど、今は同じさいたま市に なっている。昔、与野支店の勤務経験がある同僚に、活気ある与野の商店街の話を聞いたこと がある。

与野駅で降りるのは初めてだ。

与野駅は、旧与野市ではなく旧浦和市にある。そして、東北本線の駅は旧中山道側が正面にな っているけど与野は旧中山道に面した側が裏側(東口)になっている。

同湯は、その駅裏の際で昭和9年に創業した。他にもいくつか例がある「天徳湯」という屋号 は、薬湯の商品名だったらしい。津村順天堂の実母散の商品名から「中将湯」という屋号があ るけど、それと同様のもののようだ。

与野の裏口の松屋で、カレー牛&野菜サラダなる食べたことがない贅沢メニューを頂き、680 円という松屋としては高額の支払いを終えた後、湯上がり後の居酒屋を探索する。雨の中、「馬 上盃」や「じょんがら」といった店に当りつけ、天徳湯に向かった。

昭和9年築の店は手狭になったため、29年に旧中山道を渡った現在の位置に移っている。現在 の建物はその時に建てられたものだ。隣は定番の中華屋、向かいに「黒田風呂店」なる風呂の 設備屋があるのが珍しい。

正面の細い道に、平入りで白壁黒瓦の脱衣所棟が、後方にコンクリ煙突を従えて建つ。元は黒 瓦の伝統的なエントランスがあったのだろう。それを外して覆った跡が、正面中央に残ってい る。現在は脱衣所棟の前面に、直方体の白いタイル張りの箱形の建物が増築されている。昭和 の末期頃、いわゆるコミカ風呂ブランドの改装をしたようだ。

入口は正面右手。さほど広くない靴脱ぎのスペースに鶴亀と松竹混成の下足箱がある。よく使 われる高さの錠が新し目の松竹錠に置き換わっている。元々はオール鶴亀錠で構成されていた ようだ。さらに、「ラドン発生器」なるものが脇にこれ見よがしに陳列されている。鶴見・梅の湯では、表通りを歩く人にも目に付くように飾ってあったけど、それに次ぐ見せびらかしかも 知れない。

絨毯敷きのロビースペース。フロントで風呂銭とサウナ代190円の合計600円を払うと、何と はない普通のタオルが渡された。同湯では、脱衣籠のほか、自分で4桁の暗唱番号を設定して 使うスチール製のロッカー、鶴亀錠のロッカーが使われている。しかし、普通の鶴亀錠アルミ 板鍵のロッカーは、フロントで保証金100円を支払って鍵を受け取るシステムになっている。

脱衣所は3間四方の空間。さらに外壁が1間ほど増築されていて、浴室とは分離されたかたち の乾式サウナ室と簡素な休憩スペースに充てられている。脱衣所の天井壁は白いクロス貼り。 Hokutowのアナログ体重計だけが目立つ、簡素だけど明るく広い空間は清々しいものがある。 古い設備ながら清掃が行き届いていることが大きいようだ。

浴室は幅3間、奥行4間。2段型の天井を持つ伝統的なもの。さらに、脱衣所と同様に外壁側が 1間ほど増築されていて、奥からスチームサウナ、3人用の水風呂、3点立ちシャワーブースが 2つある。スチームサウナ室の扉には別料金100円とあるのでスチームサウナだけのコースも あるようだ。

島カランは1列で、カラン数はセンターから6・5・5・5。床の星形のタイルやカラン台回りの サワーピンク大理石模様のタイルなど、やはりコミカ的な風呂が多い横浜・鶴見区的な仕様に なっている。

風呂が充実している。まず奥壁には温室のように囲まれた中にラドン温浴泉。41度くらいのぬ るめのこの浴槽は、本当にゆったりできる。その隣に主浴槽。バイブラと座ジェット×2。こち らは少々熱めで43度くらいに設定されている。浴槽タイルの内側にミネラルの付着が目立つ。 現在は水道と井戸水のブレンドながら往時は井戸水だけを使っていたのだろう。

スチームサウナは4人用くらいでやや高温の設定になっている。乾式サウナは2段で6人用の もの。残念ながら有線放送の演歌のサービスは無く、かなり先鋭的な絵柄の彫り物をされてい るオヤジとアニメの話を独り言のようにつぶやく相客と3人でサウナと水風呂を往復。彫り物 氏とアニメ独り言君と3人で水風呂に浸かっているのは、自分で考えても珍妙だった。独り言 君と離れて端っこで浸かっていると、ウゥ〜と気合いか、よがり声か、大きな声とともにザブ ンと水風呂に飛び込んでくる彫り物氏。。。そんな感じだった。

ビジュアルは、奥壁がコミカ風呂特有の彫りの深い装飾タイルで抽象的なデザイン。オフホワ イトと黒の渦巻きのような感じのものだ。その他は、男女境に外国の港の絵をプリントしたタ イルが使われている程度だった。

風呂が充実していたので、20:10から21:10の1時間ほど滞在。金曜日の夜、相客は10人は 超えていた。サウナ客だけでなく、ぶつぶつ言いながらひげ剃りで足裏を削っているご年輩や、 その人の後にラドンカプセルに入ると強烈な口臭が消え去らずという人など、総じて相客の層 は濃かった。。。

上がりは瓶牛乳130円。一見客のアニメ独り言君も上がるなり女将さんに「やぁー素晴らしか ったです!」と言ってた。次のアニメの話は軽くいなされていたけど・・・。

設備は老朽化が目立つけど、風呂は充実しているし、清潔。柔和なご主人とちゃっきりな女将 さんもなかなか好感度が高い。身体がつらいということで21:30仕舞いというのが難点だけど、 駅からも近くていい銭湯だった。

上がりは「じょんがら」で水分補給。可もなく不可もなくだったかな。今回はパスした「馬上 盃」という居酒屋が気になる。。。

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
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美容院・モナミ


居酒屋・馬上盃