差出人: Masayuki Nakamura <masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp>
送信日時: 2013年5月18日土曜日 0:18
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: 東京浴場(品川区小山)

ナカムラです。

今日(4/27)は、「東京浴場(品川区小山)」に行ってきました。 西小山(東急多摩川線)から、0.2キロ、2分くらいです。

品川区の大井町と西小山に、2つの”東京浴場”がある。古い名簿を見ると同一の経営者だったよ うだ。

昭和初期以降、同湯の傍らの桜並木の立会道路(立会川の暗渠)の両側、住宅地に向かない湿地に” 西小山花街”という歓楽街が広がり、昭和50年頃まで続いていた。旧大山橋の袂の同湯向かいに、 映画館”西小山文化劇場(現サミットスーパー)”などもあった。同湯はそんな花街の流れの銭湯だ。

昭和43年築の”東ビル”という、古いかなり大きなビルに入っている。昭和38年の航空写真で先 代の建物を見ることが出来る。ビルに建て替わる前は、大井町の東京浴場と同様、男湯と女湯の浴 室の間に中庭を有する、ロの字型の黒瓦を載せた大きな建物だった。写真ではそこまで読みとるこ とはできないけど、中庭には大井町の東京浴場と同様、築山や庭池があり、水中の鯉の泳ぐ姿を浴 室じゅうから眺めることが出来る独特の仕掛けがあったと想像される。

現在の入口は立会道路と直交する”西小山パティオ”なる商店街側にある。入口の暖簾の上にはす り硝子に「東京浴場」と刻まれている。

中に入ればL字型に松竹錠の下足箱が並ぶ。自動ドアを入れば絨毯敷きの細長いロビースペース。 間口の広い建物なので、本当に長く、奥側は節電で電気が消されているので実用に耐えないくらい に暗くなっている。

友人から贈られた入浴券を大将に手渡す。思えば、2002年の銭湯マップをバックナンバーとして購 入した時に、付録の入浴券を1度だけ使ったことがあるだけ。10年振りくらいだ。鮮やかな青色で 12番の番号が振られたもの。今の入浴券のデザインが綺麗なのに驚いた。

脱衣所へは暖簾をさらに引き戸を開けて入る。広さは、幅4間、奥行3間ほど。縦長の長方形を並 べたような意匠の天井は高さ3間ほどもある。大きな空間がある。

ロッカーは、島ロッカーが横置きに1つと壁側に松竹シリンダ錠のものが並ぶ、島ロッカーがあっ ても少しも圧迫感がない。余計な物は無く、ONO Scaleのアナログ体重計、飲料の自販機、旧型マ ッサージ機があるくらい。ONO Scaleには”チバ”とあった。千葉の会社ということを知る。

浴室は、幅4間、奥行5間。天井は高さ3間ほどのドーム型。一見して清潔ないい銭湯ということ が分かる。

島カランは2列で、カラン数はセンターから7・7・7・7・7・5。床のタイルは、中判4枚と中央の 丸みのある形で1つの模様を構成する、なまこ釉のような乳白色と紺の落ち着いた色合いのもの。 カラン回りのタイルも面取りされた陶器の風合いのもので、それぞれに上質なタイルが使われてい る。

浴槽は幅広い奥壁に沿って、センターから7点座ジェット×2、石和田教授の能書きがある気泡風呂、 備長炭湯なのか木箱が沈められた水枕付の浴槽(バイブラは非稼働)が並ぶ。お湯は43度くらいと そこそこ熱いけど、井戸水をA重油で沸かしたというお湯は心地いい。

ビジュアルは、脱衣所との仕切の透明のガラスには、東郷青児風の裸婦像、幅広く高さも有る奥壁 には中島さんの手になる「立山連峰(23.8.8.)」。富山市がスポンサーになったペンキ絵がある。前 景として描かれているライトレールは町田さんが描いたものだ。さらに、男女境には大味なものだ けど洋館、高嶺、湖などが描かれた絵付けのタイル絵がある。

それ以外にも色ガラスによる硝子ブロック。エントランスのステンドグラスなどと見所が多い。

脱衣所の自販機でトマトジュースを買い、久し振りの20円の旧型マッサージ機に座る。お金を入れ ただけでは稼働しない。コインボックスを軽く叩いたら、コインの落ちる音とともに漸く稼働し始 める。。。

土曜日の19:30から20:20に滞在。相客は外国人を含め7、8人ほど。大きな風呂ゆえ、重油の価格 が上がって苦労されているようだ。煙突の解体費が数百万円を要するというのに驚いた。。。

平和島にあった東京浴場。珍しい同一の姓の方の経営だった。こちらも系列店だったのかも知れない。

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
メイン:masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp  
URL: http://furoyanoentotsu.com(風呂屋の煙突)
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