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差出人: Masayuki Nakamura <masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp>
送信日時: 2013年4月10日水曜日 21:49
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: 虎の湯(武蔵野市八幡町)

ナカムラです。

今日(3/16)は、「虎の湯(武蔵野市八幡町)」に行ってきました。 三鷹駅(中央本線)から、1.6キロ、20分くらいです。

吉祥寺のヨドバシカメラで、OM-Dに付けているZUIKO17ミリF1.8ミリレンズのフードを物色。純正は大き過ぎるのでKenkoのものを買い求める。コンパクトなレンズに合う大きさで、色もシャン パンゴールドの鏡胴の色と同一。値段も純正の1/5と格安。いい買い物だった。

さらに、吉祥寺から三鷹に向かう道すがらの民芸品店で、岩手・鳥越という所の手編みの竹かごを 買う。これからの季節、木綿の着物を着流しで普段に着ようと思っている。漠然とだけど、それに 合う手提げが必要だと思っていた。いつもは背負う方が楽なので、同型のディパックを、大・中・ 小と揃え、旅行から週末の銭湯歩きまでを全てそれで済ませてきたけど、さすがに和服には合わな い。。。

さて、虎の湯。吉祥寺から井の頭通りを西方に進み、途中で北側を走る五日市街道に移った。五日市街道は、今も武蔵野の面影が濃い。

同湯は街道から少し入った所にある、コンクリ煙突を擁する昭和36年築の伝統的木造銭湯。ただ、 後から増設したのか、正面は古くはない”看板建築”のようなウォールがあってオリジナルの姿が 見えない。

そんなウォールに四角い簡素なエントランス。金色の文字で”虎の湯・岩風呂”と記されている。 エントランスからして石が敷いてある。天井は平格天井。そして左右にSakura-G錠の下足箱が並ぶ。

番台への扉を開ければ、前面がカーブした木目プリント合板を張った高さのある番台に女将さんが 座っている。

脱衣所の広さは、幅3間半、奥行3間ほど。天井は飴色の折上げ格天井。”岩風呂”の浴室への入口 の両側にも、相応に大きな岩が設えられている。

ロッカーの配置が変わっている。入口方の壁に縦長のものが並んでいるのは普通だけど、浴室の入 口を挟むように片側だけの島ロッカーが向かい合わせに並ぶ。一方は縦長のロッカーが使われてい る。錠はいずれもSakura-3のシリンダ式。

男女境の上に並ぶ行灯型の広告看板がいずれも滋味深い。電話番号の局番は2桁。お風呂の後は” 大盛屋食堂”。宴会は”いなほ”。その他、”西口屋不動産””井口食料品店”、建設会社、建材店。女 湯には雪印の”つよい子牛乳”宅配48円という牛乳瓶の絵を含め全て手書きという懐かしい看板が あるようだ。

さて、”岩風呂”を標榜する圧巻の浴室へ。”うぉ〜!!”小生の想像を遙かに超えるものだ。三方 を岩壁が囲んでいる。しかも奥壁の高い所では4間弱の天井近くまでも岩の高さがある。まさに虎 の穴のような異次元空間が広がっている。

広さは、3間半四方。天井は伝統的な2段型。そして、天井と壁には、畳大の乳白色フラットなプ ラ板が張り付けられている。

こんな修験の空間なのに、正面の岩壁には”屋外看板”のように鉄枠が組まれ、早川さんの「伊豆 海岸(平成十九年十一月十四日)」のペンキ絵がある。シュールだ。

かつては奥壁にも浴槽があったのだろうか。埋めたような跡がある。島カランは横置きに2列。カ ラン数は、奥壁から3・5・5・5・5。3。上面がオレンジで脚部が白と深緑色の大理石模様のタイル の島カランや、3センチ角の床の白タイルはオリジナルだろう。

ここには、まさに昭和30年代の銭湯の原風景が残っている。

浴槽は、石像の五重ノ塔が載った男女境に接して、縦置きに1槽。2穴ジェット×2と、奥壁の巌の 裂け目からこんこんと湧き出ているが如く、42度強の新鮮なお湯が浴槽に注ぎ込まれる。響き渡る 湯滝の音とともに、オーバーフローする清澄なお湯の輝きに、深い深い感銘を受ける。

80歳は超えるという大将によれば、水道水を薪で沸かしたものらしい。しかし、武蔵野市の水道の 水は8割が深井戸取水の天然水。東京屈指の水質を誇っている。

相客も気を鎮めるように目を瞑って、一週間の疲れを癒し、英気を蓄えている。そんなことが出来 る場所だ。

柔らかな42度強のお湯と、意外に高性能の立ちシャワーでカランの水よりも冷たい水シャワーを浴 び、何度も何度も湯浴みを繰り返す。そして、小生も、目を瞑りながら、久しく足が遠のいている 湯滝がある辻堂・不動湯を思い出していた。

上がりは、明治の瓶牛乳。 土曜日の18:30から19:20に滞在。豪快な岩風呂系としては、国分寺の孫の湯も味わい深かったけ ど、衝撃度としては同湯が上回っているかな。こんな銭湯はふたつとないだろう。飄々とした大将 と優しいおばぁちゃんという感じの女将さんが切り盛りする優れた郷愁銭湯だった。

帰路は、数多く走る吉祥寺駅行きのバスに乗り、あっという間に駅に着く。そして、サルバトーレ というピザ屋で、ハーフ&ハーフを飲みながら美味しいピザを頂く。店によって味にバラつきはあ るけど、ここは店員の接客もきびきびして、いい店だった。

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
メイン:masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp  
URL: http://furoyanoentotsu.com(風呂屋の煙突)
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