差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2004年10月10日日曜日 17:33
宛先: 銭湯ML
件名: 当世館浴場(横須賀市上町)

ナカムラです。

今日(10/2)は、「当世館浴場(横須賀市上町)」に行ってきました。
横須賀中央駅(京浜急行)から、平坂という急坂を登り0.5キロ、10分程度です。

大黒湯(横須賀市汐入)に浸かって、小生の横須賀の休憩処、当世館浴場の前の末広食堂で一服。カキフライ定食と壜ビール。一人で定食屋で大瓶に向かい合うと、いつも思うけど、なんとなく大きく見える。

さて、当世館浴場。横須賀には「新世館浴場」というのもあるけど、珍しい屋号。入口はモルタルの直方体のエントランス棟。暖簾の上の飾り窓、入口両サイドのタイルとあまり見ない意匠が施されている。ハの字型に戸があり、開けると下足箱がある。錠は「冨士錠」。

番台は新建材を張った前面がカーブしているもの。床板も新しいので床を張り直した時に入れ替えたのかも知れない。

脱衣所の広さは幅2間、奥行3間。天井は古い民家で使われている押し縁天井。

外壁側にある旧式のオール木製ロッカーがこの銭湯の古さを示している。
たとえば、25は「廿五」と書いてある。いわゆる錠はなく、黒い小さな鉄板に直系7ミリくらいの鍵穴が開いている。扉だけでなく、見たこともない前時代的なロッカー。もともと4段あったこのロッカーは現在は上2段のみ。下2段はただの棚になっている。残っているロッカーも使用されていない感じ。

従って、稼動しているのは脱衣籠のみという感じ。小生も、積んである脱衣籠を使う。

大黒柱には柱時計の大きな台座があるけど、現在取り付けられている柱時計は新しく、そして小さいもの。その他、TANAKAのアナログ体重計、冷蔵庫、簡素な木製ベンチなどがある。

小さい脱衣所だけど、これしかないからあまり狭いという感じはない。
横須賀標準の中型銭湯。

浴室は、幅2間、奥行3間。天井は2段型だけど、天井断面の形が凸になっている。つまり、低い天井も高い天井もフラット。2段型の天井でウィング部分が全くの水平というのは初めての遭遇かも知れない。

奥壁、外壁を含めオフホワイトのペンキが塗られている。板の使い方からして、かなり古い木造建築という感じがする。

島カランは1列でプレーンなもの。カラン数は、5・5・5・6。カランはWaguriの角型。両サイドにのみシャワーが設置されている。

カラン周りのタイルは新しいものに改修されていて古いものはない。床は、クリーム色に波型の曲線を走らせたもので、昭和中期的なもの。

浴槽は深浅2槽。双方ジェットで温度は42度くらいとやや温い温度。

ビジュアルは、男女境に既成品のモザイクタイル絵。奥壁には以前はペンキ絵があったとのことだけど、今は壁、天井と同じくオフホワイトのペンキが塗られている。ペンキは新しく光沢があるけど、その奥に歴史を示す襞がある。

この銭湯で一番旧状を残しているのはトイレかな。床を含め、すべてが焦げ茶色の木造レトロワールドだった。なんか、非常に昔の世界にいる感じ。古くはあるけど、不潔さはないのもいい。

女将に建築年を尋ねるが分からないとのこと。躯体はかなり古い感じがする。

おばあちゃんが孫2人を連れて来ていた。横須賀の上町という銭湯密集地にある現役の古銭湯だった。
















すぐ近くの桃の湯


末広食堂


当世館浴場(2006.9.30撮影)