差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2004年7月4日日曜日 23:17
宛先: 銭湯ML
件名: 第一七福湯(横浜市南区)

ナカムラです。

今日(7/4)は、「第一七福湯(横浜市南区)」に行ってきました。
蒔田駅(まいた駅、横浜市営地下鉄)から、0.7キロ、15分くらいです。

昭和28年築。おまけに良質の黒湯温泉。横浜屈指のレトロ銭湯かも知れない。この近くに住んでいるのかな。横浜市在住の田中邦衛も訪れるらしい。

横浜市南区は横浜の下町。銭湯が多い。蒔田駅付近にも「福乃湯」「福徳湯」「松美湯」があり、外観だけ眺めてきた。フロント式に改築されている松美湯以外は、伝統的銭湯だった。

さて、第一七福湯。
現在、神奈川県には「第二」はないけど、昔はあったのかな・・・。

入口は、千鳥破風の黒瓦。間口は広くどっしりとしたもの。その奥の脱衣所棟も黒瓦で風格がある。掛り松やその他にも木があり緑が濃い。入口の黒瓦の上にも雑草が伸びている・・・。

黒湯をイメージしたのか茶色のオリジナル暖簾。「ナトリウム温泉」と大書きされ、隅っこに屋号が書かれている。今は暖簾の上に蛍光灯が点るだけだけど、その両脇に白熱灯の照明器が付いている。銭湯には、蛍光灯よりも電球の暖かい光が似合うんだが・・・。電気代の関係なにかな、みんな蛍光灯に置き換わっている。

エントランスは広いスペースが割かれている。正面に鈴栄堂のタイル絵。絵柄は宝舟。下足箱はカナリア錠。左側が男湯。番台への戸を開けると、古色蒼然としたレトロな木造ワールドが広がっている。番台はやや低い感じ。茶色の板組の四角いもの。

脱衣所の広さは、幅3間、奥行き3間半。天井は折上げ格天井(6×11)。こげ茶色で鈍い光沢がある。

ロッカーは、真中に小さい島ロッカーと外壁側の半分もにロッカー。ともに「TOKYO」の錠が付いている。入口脇に脱衣籠も積まれていて、これを使っている人も多かった。

男女境の上には支柱が曲線の白熱灯の照明器があるけど、どうも現役ではなさそう。鷲神社かな、大きな熊手が結わかれていた。
男女境の端っこの柱(番台の前)にも電球をつけるソケットがあるけど、蛍光灯のボール電球が付けられていた・・・。

その他、アナログ体重計。島ロッカーの上には、亀の水槽が2つ。伊佐木町や阪東橋が近いので、映画館の広告もある。そう、寺岡式で文字盤が膝のところにあるのは初めての遭遇かも知れない。

浴室は、幅3間、奥行き3間半。天井は2段型。高い天井は3間半四方の正方形になっている。

島カランは1つ。カラン数はセンターから7・6・6・5(やや記憶があいまい)。外壁側で脱衣所側の張り出しが冷・温の立ちシャワーブースになっている。カランはブルーの取っ手の角型。全てにシャワーが付いている。

浴槽は、外壁側に黒湯温泉。岩を配し岩風呂風になっている。温度は43度くらい。白湯槽はパイプで仕切られていて、2穴ジェットが2機と何の仕掛けもない穏やかな湯面の槽に分かれている。こちらも43度くらい。

なかなか濃い黒色。バイブラバスにつき、湯の花が泡だっている。柔らかな感触でなかなか良かった。蛇口をひねると黒色の冷水。少し口に含むと微かに塩分が感じられた。

ビジュアルも充実している。奥壁には丸山師の「河口湖(12.9.4)」。秀麗は富士山が全面に広がっている。その下は、モザイクタイル絵。女湯の方には、石川県珠洲市の見附島(軍艦島)のペンキ絵が見える。

男女境には、縦4枚、横10枚のタイル絵が4幅。奥から、近江八幡、富士山、兼六園、砂利を運ぶ帆掛け舟&お城といった絵柄。縦4枚のうち、最下段の半分は改修の際に他の新しいタイルに埋められている。鈴栄堂のクレジットは、埋められたのかも知れない。銘等が確認できなかったのは残念・・・。

外壁側から入口脇にかけてL字型に池があり鯉が泳いでいる。水が張られた池はやはりいい。

小1時間いたけど、相客は20人くらいとそこそこ。幼児を連れた父親とか。中学生と小学生の兄弟とか、日曜日の夕方ならではの光景もあった。

番台の主に向ってなにやら声高に叫んでいる杖をついたご老人。90歳くらいか。話の内容を聞いていると、温泉が漏れている、このままだと大変だ、夜も眠れないというような内容。このご老人はどうやら番台の主の先々代なのかな。温泉が漏れているのが気が気でないらしい。
気持ちは分かる。






福乃湯


福徳湯


松美湯