差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2004年7月18日日曜日 13:15
宛先: 銭湯ML
件名: 米の湯(平塚市立野町)

ナカムラです。

今日(7/17)は、「米の湯(よねのゆ、平塚市立野町)」に行ってきました。
平塚駅(JR東海道本線)から、1.5キロ、20分くらいです。

平塚の銭湯も最近、「よしの湯(H13/1)」、「藤の湯(H14/7)」、「蔦の湯(H16/1)」と廃業が続いている。というわけで、「平塚温泉(代官町)」、「滝の湯(錦町)」、「湘南温泉(平塚一丁目)」、「富士の湯(平塚二丁目)」を経由して同湯へ。

本当は、北部の「金春湯(八幡)」、「八幡温泉(東八幡)」も回る予定だったけど、途中で力尽きた・・・。

「富士の湯」のある平塚二丁目は旧遊廓のあったところ。「伊勢本」という旅館の庭の奥に古い社があったので再訪。

庭の奥だった小さな神社は、周辺が分譲用のため区分けされ、戸建が建設中だったりした。そのため、今回は社に近づくことができた。石造りの向かい合う狐の台座を見ると、「大正十四年」「相模楼」と刻んであった。ここ以外にも、アパートの敷地の端に祠があったりと、微かだけど遊郭の名残が残っている。

さて、米の湯。
追分という古くからの商店街の近くにある。大正13年の創業。現在の建物は、終戦後数年間店を休んだ後の昭和28年に改築したもの。表通りから少し入った三叉路の角という、あまり例のない立地。煙突の隣に大きな木と、なんだか普通の銭湯と異なる雰囲気を持っている。

入口は、モルタルのファッサード、上には三角の意匠が施されている。そして、入口棟と呼ぶには小さい「出っ張り」がある。

白地に「ゆ」と大書きされたオリジナル暖簾。その奥には男湯、女湯への戸がハの字型のある。茶色の木の桟に摺りガラスを嵌めた、繊細な感じの戸。真中に「男湯」と書かれている。

戸を開けると、第一印象は清潔なレトロ空間というもの。脱衣所の広さは幅2間半、奥行3間。手前半間ほどがコンクリのたたきになっていて、靴脱ぎのスノコが敷いてある。入口壁側にSakuraG錠の下足箱9個と下足棚。

番台は、簡素な板材で組まれた四角いもの。高さは低い。側面も板張りだけど竹でアクセントをつけている。全てが茶色のペンキで塗りこまれている。ただ、番台としては使用されていなくて、テレビと販売用の入浴グッズが載せられている。女湯との間はカーテンが渡されている。

壁は板壁。ベージュのペンキ塗り。天井は民家風の押し縁天井。オフホワイトのペンキ塗り。この天井のペンキ塗りなんて見たことないなぁ・・・。

双方のペンキ塗りが、光沢を放っている。清掃が行き届いていることを感じる。それと、昭和28年築らしいけど、ずっと古い昭和初期の建物のように見える。

ロッカーは、外壁側にSakuraU錠のものが30個ほど。扉には差がなく判らないけど、入口側の15個ほどは内側が焦げ茶色の古い材で組まれていた。旧来からのオール木製ロッカーを、扉だけ更新している様子。脱衣かごも5・6個置かれている。

その他、番台の上に緑のダルマと招き猫が2匹。うち1匹が金色。電動なのか、手がおいでおいでをしている。縦型の冷蔵庫には、スパードライをはじめ、飲料がぎっしり詰まっている。

アナログ体重計は、「Kamachu」だったかな、初めて遭遇するブランドかも知れない。

浴室は、幅2間半、奥行3間。天井は2段型。天井も壁も板で組まれている。板の間に隙間が生じていたりと、古いけど、丁寧に使われている感じ。

島カランは1つで、カラン数はセンターから3(+立ちシャワー1)・2・2・4。センターにのみ3つだけシャワーがある。カランは日の丸扇の刻印がある取っ手がステンレスの8角形のもの。磨きこまれ、光ってる。

タイルは新しいものに更新されていて、脱衣所同様に、清掃とい点で隙がない。清潔だけど、少し風情には欠けるかな・・・。

浴槽は浅槽が電気風呂とバイブラ(43度くらい)、深槽が薬湯(41度くらい)。

残念ながら奥壁にはペンキ絵がなく、男女境に既成のモザイクタイル絵があるのみ。

煙突の脇に大きな立ち木があるレトロ銭湯。土曜日の夕方、17:20〜18:00くらい滞在したけど、相客は7〜8人程度。なかなか、古いものを知っていて、丁寧に維持し、かつ清潔な銭湯だった。

向いに本当に小さな、でも粋な感じのジャズバー(PA-PPAR)があった。
町外れに、平塚で一番の歴史があるジャズ屋らしい。
まだ、開店前だったけど、とても惹かれる店だった。























平塚でいちばん古いジャス喫茶
店名はアンプの真空管の名前らしい


平塚温泉


滝の湯



湘南温泉


富士の湯